由布院の旅館は予約でいっぱい…南海トラフ地震の臨時情報、大分の観光への影響は限定的
読売新聞 / 2024年8月11日 10時19分
南海トラフ地震の「臨時情報(巨大地震注意)」が発表されている中、盆を古里などで過ごす人たちの帰省ラッシュが10日、大分県内でも本格化した。にぎわいを保つ観光地に、温泉地のホテルや観光施設の関係者は胸をなで下ろした。
◆JR駅にぎわう
大分市のJR大分駅では、大きな荷物や土産物を抱えた家族連れらでごった返した。
JR九州によると、この日が下りのピークで、5日現在、日豊線下りの特急「ソニック」の指定席は夕方頃まで満席で、その後も約70~90%が埋まった。ラッシュは12日頃まで続くという。
佐伯市の実家に子ども3人と帰省するという福岡市の女性会社員(34)は「地震で(帰省するかどうか)1日迷ったが、子どもたちが楽しみにしていたので帰ってきた。実家で良い思い出をつくってあげたい」と話した。小学3年の息子(8)は「トキハにいったり、アユ釣りをしたりしたい」と笑顔を見せた。
◆キャンセル少なく
「別府は大丈夫ですか」。別府市のJR別府駅近くにある「ホテル白菊」には、8日の地震直後から、街の被害状況やキャンセルに関する問い合わせが相次いだ。震度3だった市内には混乱もなく、宿も通常営業していたが、当日中に5件ほどのキャンセルが発生した。
10日午後までに、幼い子ども連れや高齢者を含む予約を中心に、15件ほどのキャンセルがあったというが、副支配人の佐藤裕さん(41)は「経営を圧迫するほどではない」と語った。
同市の別府湾沿いにある「海乃ホテルはじめ」にも、地震が発生してから10件ほどの問い合わせがあったが、10日午後までに電話で受け付けたキャンセルはないという。
一方、全国有数の温泉地・由布院温泉(由布市)の旅館「由布院いよとみ」は連日予約で埋まっているという。経営する地元の温泉旅館組合長、冨永希一さん(50)は臨時情報を受け、避難経路や避難場所を改めて確認した。「人手不足の中、安全を願って日々をこなすので精いっぱい」と話した。
◆観光施設は活況
海沿いにある大分市の大分マリーンパレス水族館「うみたまご」は通常通り営業し、ショーなどの中止もなく3連休初日を迎えた。同市の高崎山自然動物園も通常の週末よりやや多い来場者でにぎわい、地震の影響は特にないという。
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