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真夏のワカサギ釣り、500匹釣れることも…冬並みの釣果の不思議

読売新聞 / 2024年8月11日 11時6分

天ぷらにして味わったワカサギ

 冬の風物詩というイメージが強いワカサギ釣りだが、実は佐賀市北部の北山湖では夏でも楽しめる。新たな名物にしようと今夏、地元のレンタルボート店などが、釣り道具など一式を貸し出す4時間の体験プランを企画した。釣りは素人の記者(25)が、大漁を目指して真夏の湖でさおを振った。(上本虎之介)

 「夏にこんなにたくさん釣れる場所は全国でも珍しいですよ」

 4日午前7時頃、北山湖のほとりでプランを運営する「フィッシングセンター うおまん」の代表・指山博富美さん(55)が教えてくれた。正午頃は餌への食いつきが低調なため、早朝に集合。辺りは広大な湖とそれを囲む山々。救命胴衣を腰に巻き、必要な道具を借りた。「コツをつかめば500匹釣ることも可能」とのことで、期待に胸を膨らませて船に乗り、指山さんの操縦で湖へ繰り出した。

 15分ほど移動し、魚群探知機で群れを探してポイントを見定める。餌のハエの幼虫を針に刺す作業に若干苦戦しながらも、いざ開始。程なくしてさおにわずかな感触。リールを巻くと、10センチ弱ほどの2匹が食いついていた。「こんなに簡単なのか」。早速の釣果に心が躍った。

 「コツは、さおの先がぴくぴくっと動いたときに振り上げて、針に引っかけることですよ」と指山さん。さおの感触をじっと観察し、動きがある度に無心で振り上げた。タイミングは毎回違うが、待ち続ける間の静寂も味わった。5本の針すべてにかかることもあり、没頭していった。最終的には80匹ほど釣り、すぐに4時間が過ぎた。普段はもっと釣れると聞き、自身の腕と運のなさを嘆きつつも、初の体験に大満足となった。

 シーズンは10月頃から翌年春頃だが、今夏はそれに匹敵するほど釣れているという。指山さんによると、2020年に同業者らで導入した 孵化 ふか器によって孵化率が急上昇。個体数が安定的に増加し、釣果につながっていると考えられる。冬並みの大きさのものも多いという。今回のプランはこの好環境を利用し、新規客やリピーター獲得に向けて始めた。

 釣ったワカサギは近くのバーベキュー場で天ぷらにした。引き締まった身の味わいが口に広がり、食べる手が止まらなくなった。軟らかい骨は調理しやすく、周囲にキャンプ施設などが充実しているため、食べるまで容易に楽しめそうだ。

 指山さんは「初心者でも手軽にたくさん釣れるのが魅力。身もぷりぷりなので、ぜひ多くの人に味わってほしい」と語る。新たな夏のレジャースポット。皆さんも体験してみてはいかが。

 ◆ワカサギ=キュウリウオ科で体長は15センチ前後。青森県や北海道の湖が全国有数の漁獲量を誇り、佐賀県内では唯一、北山湖にのみ生息している。江戸時代、現在の茨城県にあった麻生藩が、霞ヶ浦産を将軍家に献上したことから、漢字で「公魚」と書くようになったとされる。

船で4時間体験を企画

 いずれもレンタルボートなどを営む「フィッシングセンター うおまん」と「ボートハウス シノハラ」が、4時間のプランを企画した。31日までで、事前予約を推奨している。

 船(参加者自身で運転)は1、2人乗りで4000円、3人乗りで5000円。延長は1時間ごとに1000円。ライフジャケット、さお、仕掛け、餌、バケツを各人数分貸し出している。魚群探知機は1000円で貸し出しており、クーラーボックスは持参する。

 問い合わせは「うおまん」(0952・56・2345)か、「シノハラ」(0952・56・2062)まで。

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