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琵琶湖の水泳場は約30、海水浴とは違う作法…すり鉢状に急に深くなるポイントも

読売新聞 / 2024年8月11日 13時14分

 夏本番を迎え、琵琶湖や周辺の山や川は、滋賀県内外から訪れたレジャー客でにぎわっている。豊かな自然を満喫できる滋賀で人気のアウトドアスポーツやレジャーに大津支局の若手記者らが挑戦し、その魅力と安全に遊ぶポイントを紹介する。

 琵琶湖のレジャーで記者(26)がまず思いつくのが湖水浴だ。6月に岡山から大津支局に赴任したばかりで、湖水浴は未経験。澄み渡る青い湖を優雅に泳ぐ自分の姿を想像しつつ、湖岸に開設中の水泳場に足を運んだ。

 訪れたのはレジャー客に人気の大津市南小松の近江舞子中浜水泳場。平日だったが、泳いだり、ビーチボールで遊んだりする多くの家族連れや学生らの姿があった。湖底が見えるほど透明で、気持ちよさそうな湖にすぐにでも飛び込みたい気分に駆られたが、ぐっとこらえた。

 「ライフジャケットがないと危ないよ」――。湖水浴の注意点を取材した際の県警水上警察隊の田村知史隊長(58)の言葉を思い出す。事件や事故を担当する記者として、水難事故を取材することも多い。県警によると、昨年までの過去5年間に発生した琵琶湖での水泳中と水遊び中の事故は計21件あり、16人が死亡。昨年8月には小学生が亡くなる事故もあった。田村隊長は「もしライフジャケットを着用していれば救えた命もあった」と無念そうに話していた。

 水泳場の事務所が有料でライフジャケットを貸し出していると知り、自分の体に合ったものを借りた。裏表を確認し、ベルトは苦しくない程度にきつく締める。使い方を間違うと入水中に脱げてしまったり、うつぶせに浮いて顔が沈んでしまったりとかえって危ないという。ここでは、事務所の人が正しい着用の仕方を丁寧に教えてくれたので安心だ。

 さて、これで準備万全。湖に近づき、片方の足を水につける。思ったよりも冷たくない。ちょうどいい水温で心地よい。そのまま飛び込み、日光に当たりながら湖面に浮かんでみた。持参したゴーグルを装着して水中をのぞいてみるとたくさんの小魚が目の前を泳いでいくのが見えた。多様な生き物を育む琵琶湖の自然を感じられた瞬間だ。

 少し沖に進むと急に深くなった。遊泳区域を示す岸から約8メートル離れたブイのそばは水深2メートル以上あり、湖底に足が着かない。最初は陸からのブイの位置が近いと感じたが、見た目の印象よりずっと深くなっていることがわかった。

 今回泳ぎに来た湖西は、すり鉢状に急に深くなるポイントが多く、数メートル進むだけで一気に大人の背丈ほどの深さになるところもあるという。大人も子どももライフジャケット着用は必須。するりと抜けてしまう可能性がある浮輪だけでは危険だと感じた。

 とはいえライフジャケットをきちんと着用し、ブイで囲われた水泳場で泳ぐには快適だ。海水浴と違ってクラゲに刺される心配もなく、泳いだ後に体がベタベタしないのもうれしい。

 海とはひと味違う、滋賀ならではのレジャーにすっかり魅了されてしまった。次は県外の友人も誘ってみよう。悲しい水難事故が起きないことを心から願いつつ、多くの人に湖水浴の魅力を知ってもらいたいと思った。(青山大起)

 ◆湖水浴=湖の淡水で泳ぐレジャー。琵琶湖では毎年7~9月頃に約30の水泳場が開設される。海水と比べて浮きにくく、ライフジャケット着用が推奨されている。波は高くなく穏やかだが、急に深くなったり、強風で沖に流されたりするなどの危険もある。

人気は近江舞子や宮ヶ浜

 京阪神からの交通の便が良い琵琶湖は、毎年お盆~8月下旬をピークに県外からも多くのレジャー客が訪れる。コロナ禍で一時減少したものの年々回復傾向にあり、昨年は主な水泳場11か所で30万人以上が訪れたという。

 湖西エリアの近江舞子(大津市)や近江白浜(高島市)のほか、湖東の宮ヶ浜(近江八幡市)などの水泳場が人気で、湖岸キャンプやカヌーなどの湖上スポーツが楽しめる場所も多い。

 各水泳場は遊泳区域を設定している。遊泳者と水上バイク等の接触事故防止のため、水泳場内では動力船の航行が条例で禁止されており、安心して遊ぶことができる。

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