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投てき界のヒロイン北口榛花、直前に助走見直して天を突く1投目…「夢の中では70メートル投げていた」

読売新聞 / 2024年8月11日 22時1分

女子やり投げで金メダルを獲得した北口榛花の1投目(10日、サンドニで)=代表撮影

 パリオリンピックは10日、陸上女子やり投げ決勝で北口榛花(JAL)が65メートル80で金メダル。陸上日本勢の金は2004年アテネ大会男子ハンマー投げの室伏広治、女子マラソンの野口みずき以来20年ぶり。

自己ベストにも「力んでしまった」と反省

 女子やり投げの北口は、技術の修正力が光った。

 今季は助走スピードのアップに取り組んできたが、なかなか投げとかみ合わなかった。決勝前日の夜から当日の朝にかけ、昨年マークした67メートル台の投てきの映像を何度も見返した。

 「最初の足踏みから助走に入るタイミングで、テンポが速い。もっと焦らずに助走しよう」

 スピードよりもテンポを重視した助走に変えた。その1投目。独特の高い角度で投げ出されたやりは、大きな放物線を描いた。7月12日のダイヤモンドリーグ(モナコ)でマークした65メートル21を超え、今季自己最高の65メートル80をマークした。持ち味である上半身の大きさ、水泳やバドミントンを経験してきた肩の柔らかさを生かした、ダイナミックな投てきが戻った。

 反省も忘れなかった。1投目を終えた時点では、自己ベスト、つまりは日本記録67メートル38の更新を狙える感触があったという。それでも、この日は2投目以降に記録を伸ばせなかった。「投げられると思ってしまったから、力んでしまった。行けると思った時にこそ、もうちょっと冷静に判断しなければいけない」と悔しがった。

 5投目の64メートル73でも2位の記録を上回り、勝つためには十分な数字だった。世界選手権女王として、ライバルたちを圧倒する貫禄勝ちだったが、それでも納得してはいなかった。

 「五輪の金メダルを取ったら満足できるものなのかなと思っていたけど、65メートルでは満足できない。夢の中では70メートルを投げていたので、次はかなえられるように頑張りたい」と北口。日本投てき界のヒロインは、この金字塔さえ通過点とするのかもしれない。(田上幸広)

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