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将棋の原点「酔象」羽生善治九段が体感、竜王戦あわら対局を前に福井県が「朝倉象棋」をPR

読売新聞 / 2024年8月12日 8時45分

 福井県あわら市で10月に開かれる第37期竜王戦七番勝負第2局(読売新聞社主催、特別協賛・野村ホールディングス)を契機に、県や県将棋連盟は、県内で発見された将棋の駒「 酔象 すいぞう」と、酔象を取り入れた将棋「朝倉 象棋 しょうぎ」のPRに力を入れる。酔象が発見された意義や魅力について、日本将棋連盟会長の羽生善治九段(53)と、朝倉象棋の公開対局を経験した山田久美女流四段(57)に聞いた。(荒田憲助)

羽生九段「象という駒、他国では初期の将棋から存在」

 将棋の起源は古代インドのすごろくのようなもので、アジア各地を巡ってから1500~1000年ほど前に日本へやってきたとされる。現行のルールができたのは約400年前。「象」という駒は、他国では初期の将棋から存在しており、ルールが変遷していく中で重要な位置づけになる。酔象は将棋の原点とも言えるものだ。

 将棋は、歴史的な背景やその土地の文化、風習が色濃く反映されて残るものだ。地元の歴史や考え方を伝えていく一つの手段として、朝倉象棋を活用してもらえるとありがたい。現行の将棋に駒が1枚加わるだけだが、実際に対局すれば、きっと普段とは大きく異なる戦術や戦略が必要になり、面白いはずだ。

山田女流四段「昔の王族の世界に似ている」

 酔象は「太子」に成ると、王将と同じ価値を持ち、片方が取られても負けにならないのがルールだ。王様がいなくなっても皇太子が残るというのは、昔の王族の世界に似ていると感じる。

 実際に指してみたところ、「酔象さんをどうやって助けようか」などと考えることが増え、普段の将棋とは違う楽しさがあった。酔象を最初に作った人も、「楽しく指したい」と思っていたのではないかと想像する。

 県内には、普通の将棋と朝倉象棋の2種類があるので、他県の方よりも楽しみが大きいということを呼びかけていきたい。

 朝倉象棋や酔象に興味を持って県内や、酔象が出土した一乗谷(福井市)の歴史に触れ、勉強してくれる若い世代が増えてくれたらいい。そこから、県内の他の魅力にも関心が広がっていくことを期待している。

◆酔象=真後ろ以外の全方向に進める駒で、現在のルールにはない。最初は王将の前に置き、敵陣に入ると真後ろにも動ける「太子」に成る。奈良市の興福寺旧境内で2013年に見つかった平安時代のものが最古とされ、福井市の一乗谷朝倉氏遺跡でも1973年に出土した。

女流棋士の公開対局、9月1日に

 福井市の県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館分館で9月1日、女流棋士による朝倉象棋の公開対局と「越前朝倉象棋大会」(県将棋連盟主催、読売新聞福井支局など後援)が開かれる。いずれも事前申し込み不要で、参加無料。

 公開対局は「将棋まつり in 一乗谷」(県主催、読売新聞福井支局後援)の一環で、午前10時10分に始まる。定員は先着約80人。一方、朝倉象棋大会には昼食の持参が必要で、午前9時30分から参加を受け付ける。問い合わせは公開対局が県新幹線開業課(0776・20・0546)、朝倉象棋大会は県将棋連盟の宮越和彦理事長(080・3740・3909)。

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