日向灘に地震の割れ残り領域が存在か、再びM7級の地震起こる可能性…京大防災研が分析
読売新聞 / 2024年8月12日 9時30分
8日に日向灘で発生したマグニチュード(M)7.1の地震について、地震で破壊されずに割れ残った領域が日向灘の海底下にあるとみられることが京都大防災研究所宮崎観測所の分析でわかった。今回の震源から北東に数十キロ・メートル離れた領域で、M7級の地震が再び起こる可能性があるとして、警戒を呼びかけている。
日向灘は南海トラフ地震の想定震源域の西端にあたり、海側プレートと陸側プレートの境界の一部が割れてずれ動く地震がたびたび発生している。
同観測所の山下裕亮助教(観測地震学)が国土地理院などの解析結果を基に分析。今回の震源北東側の領域では、プレート境界の割れが進んでいなかった可能性が高いことがわかった。
ほぼ同じ領域では1996年10月と12月にM6.9とM6.7の地震が続き、この際は最初の地震の割れ残りが2か月後に破壊されて次の地震が起きていた。
また8日には宮崎港(宮崎市)で50センチの津波が観測されたが、割れ残っている領域は、今回の震源より浅い位置にあるため、M7級の地震が起きれば、より高い津波が発生する恐れもあるという。
山下助教は「日向灘で起きている地震の一環で、南海トラフ地震を引き起こすリスクは高くないと考えるが、臨時情報の対応期間を過ぎても地震への備えが引き続き必要だ」と話した。
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