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「驚きのメダル」日本は近代五種、フランスは卓球…科学者みたいな「ルブランなんて知らなかった」

読売新聞 / 2024年8月12日 18時24分

[パリ五輪こぼれ話]

 11日に閉幕したパリオリンピックでは、表彰台に立った選手たちに、計約850個のメダルが贈られました。うれしいメダル、悔しいメダルと、選手によって様々ですが、そこまで知名度のない競技で獲得したメダルは一躍、脚光を浴びるチャンスとなりました。今大会の日本で言えば、日本勢として史上初のメダルに輝いた近代五種などが挙げられるでしょう。

 開催国・フランスでも同じような例がありました。卓球です。男子シングルスで17歳の新鋭、フェリックス・ルブランがフランス勢としては1992年バルセロナ大会以来のメダルとなる「銅」に輝きました。続く男子団体でも3位決定戦でフランスは日本を破り、この種目で初のメダルとなる「銅」を獲得。団体戦のシングルスで、フェリックス・ルブランが強豪国・日本の張本智和(智和企画)と篠塚大登(愛知工大)を撃破する姿は、フランス国民に驚きをもって受け止められました。

卓球、人気は20位

 仏紙ウエスト・フランスなどがパリ五輪開催前の今春に行った調査では、フランスで最も人気のあるスポーツはサッカー。51%のフランス人が、よくチェックするスポーツとして挙げました。2位は32%のラグビーで、3位は23%のテニス。これに、自転車(21%)、陸上(18%)、ハンドボール(17%)などが続きます。卓球は、と言うと、さらに下がって20位(5%)で、テディ・リネールが国民的な人気を誇る柔道の16位(7%)を下回りました。

 フランス人の間では、卓球はスポーツというより遊びやレジャーの感覚。卓球台は、会社の休憩室やミニサッカー場の遊び場などによく設置されているそうです。オリンピックの会場近くに置かれた卓球台で、青空卓球を楽しんでいたオマール・バンシャバさんは「卓球は、日本や中国などアジアのスポーツだと思っていた。(競泳の)レオン・マルシャンは知っているけど、フェリックス・ルブランなんて知らなかったし、メダルを取るなんて思いもしなかった」と振り返ります。

「兄弟」で注目

 ルブランの活躍が話題を呼んだ理由は、ほかにもあります。団体戦では3歳年上の兄、アレクシ・ルブランとともに戦い、「ルブラン兄弟」として注目されたこと。兄弟そろって眼鏡をかけ、見た目に特徴があること。「スポーツ選手と言うよりは、科学者みたい」。3位決定戦をパリ近郊の自宅でテレビ観戦していたというジュリー・ヴァクセレールさんは、そう話します。

 先述の卓球台では、青空卓球を楽しむ家族や友人、カップルの姿が絶えません。バンシャバさんと一緒にラケットを握っていたセリーヌ・デュフロさんは「本格的なスポーツとしてではないけれど」と前置きしつつも、「今度、卓球クラブに入ってみようかなと思っているの」と教えてくれました。2週間余りの熱狂に沸いたフランス、パリ。アスリートの快挙に触発され、パリジェンヌの間にピンポンブームがやってくるかもしれません。

 パリオリンピックを巡る様々な話題を、ユニークな視点で随時お届けするコーナーです。

ふかい・ゆきひろ 1977年生まれ。2000年に入社し、地方支局や運動部などを経て、2022年からデジタル編集部。オリンピックの取材は3年前の東京大会に続いて2度目。好きなフランス映画は「最強のふたり」。

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