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南海トラフ臨時情報、「日常生活を送りながら家具の固定や避難経路の確認を」…気象庁評価検討会の山岡耕春委員

読売新聞 / 2024年8月12日 17時30分

山岡耕春・名古屋大名誉教授(地震学)

 気象庁が南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)を発表した。発表を判断した同庁評価検討会で委員を務める山岡耕春・名古屋大名誉教授に、情報の意義や受け止め方を聞いた。

 現在の地震学では、いつ地震が発生するのか正確に予知することはできない。しかし、大きな地震の後にその近くで地震が頻発することはわかっている。まれに、より大きな地震が起きることもある。

 南海トラフ沿いでは100~150年間隔で大きな地震が繰り返されている。現在発生すれば、20万人以上が亡くなる国難級の被害が生じかねない。政府が臨時情報の制度を作ったのは、確率が高まっているという危機感を伝え、少しでも備えてもらうことで、被害を減らすためだ。

 今回は、南海トラフ地震の震源域である日向灘で、臨時情報の発表基準を満たす大きな地震が起きた。気象庁が注意を呼びかけている1週間のうちに大きな地震が必ず起きるわけではない。「高まっている」という表現にとまどう人も多いと思うが、この機会に足りない備えがないかを再確認してほしい。

 最も優先すべきは命を守ること。南海トラフ地震の特徴は強い揺れに加えて、津波が短時間で襲ってくることだ。津波から逃げ切るため、浸水が想定される地域に住む人は避難経路を確認してほしい。旅行者を受け入れる施設や地域は必要な情報を示しておくことが必要だ。

 行政や消防など命を救う立場にある機関は、期間中はいつでも動けるように態勢を整えておくことが望ましい。

 一方、個人レベルでは、日常生活を送りながら、お金や時間があまりかからない範囲で、やって損はないことをしておくといい。私は臨時情報の対象地域である名古屋市で暮らしているが、家具の固定に甘いところがないか確認している。家の中での避難経路がふさがれることはないか、高い所から落下するものがないかなどにも気を配ってほしい。(聞き手 天沢正裕)

やまおか・こうしゅん=65歳。政府の中央防災会議の作業部会で、南海トラフ地震臨時情報の制度設計に携わった。

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