1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. スポーツ総合

「妹の思い背負う」「1%の可能性信じて」「お家芸への一歩」「マジで楽しい6分間」…パリ五輪、笑顔と涙

読売新聞 / 2024年8月12日 20時20分

陸上やり投げで金メダルを獲得した北口榛花選手(10日、パリで)

 コロナ禍を乗り越え、世界中のアスリートと観客が集ったパリ五輪が11日夜(日本時間12日朝)、幕を閉じた。夢をつかもうと、最後まで力を尽くした日本の選手たち。獲得した金20個を含む45個のメダルとともに、その笑顔と涙は多くの人々の記憶に刻まれた。

 大会初のメダルをもたらしたのは、開幕翌日に行われた柔道女子48キロ級の角田夏実選手(32)。夏季五輪で日本勢通算500個目のメダルを金で飾り、「きつい時も多かったけど、忘れちゃうくらい良かったなって思った」とほほ笑んだ。

 波乱もあった。阿部 一二三 ひふみ選手(27)と 兄妹 きょうだいでの連覇を目指した女子52キロ級の うた選手(24)は2回戦で敗れて号泣。「全てをかけてこの一日のためにやってきた。五輪で勝ちきれなかった私がすごく弱い」と語った。

 「(詩選手の負けは)信じられなかったし、色んな感情があった。妹の思いも背負って、最後まで戦い抜こうと覚悟を決めた」。一二三選手はその直後、男子66キロ級を制した。

 初採用の東京五輪に続いて行われたスケートボードは、日本のお家芸になった。女子ストリートで優勝した吉沢 ここ選手(14)は「(家族が私の)人生で一番笑顔だった。これからも、もっと楽しませてあげたい」と笑った。

 「1%の可能性だったと思うけど、その1%を信じていた」。男子ストリートの堀米雄斗選手(25)は最後に大技を決め、7位からの大逆転で連覇を果たした。普段はクールな男が、雄たけびを上げた。

 ニューヒーローも誕生した。体操男子の岡慎之助選手(20)は、個人総合などで52年ぶりの3冠の偉業を成し遂げた。「自分の体操が世界で花開いた。やばいことしちゃったんだな」

 ベテランの奮闘も光った。総合馬術団体は馬術で92年ぶりのメダルとなる銅を獲得。メンバー4人の平均年齢は40歳超で、「初老ジャパン」の自称とともに話題を集めた。戸本一真選手(41)は「奇跡に近いんじゃないか」と喜んだ。

 フェンシングは個人・団体で5個のメダルと大躍進した。男子フルーレ団体で金メダルをとった松山恭助選手(27)は「日本のお家芸になる第一歩になった。少しでも多くの子どもが、フェンシングを始めるきっかけになれば」と願った。

 若手の活躍で金8個を含む計11個のメダルを量産したレスリング。女子53キロ級の藤波 朱理 あかり選手(20)は、公式戦137連勝で女王の座をつかみ取り、「オリンピック最高! レスリング最高!」と声を弾ませた。

 男子グレコローマン77キロ級の覇者となった 日下 くさか なお選手(23)の名前の由来は、シドニー五輪女子マラソンで優勝した高橋尚子さん。高橋さんが残した名言「すごく楽しい42キロでした」になぞらえ、「マジで楽しい6分間でした。(金メダルと)絶対、今夜一緒に寝ます」と笑わせた。

 連覇が有力視された女子50キロ級の須崎優衣選手(25)は3位だった。「五輪チャンピオンじゃなかったら価値がないと思っていたけど、一人の人間として応援してくれた」。4年後の王者奪還を誓った。

 閉会式前日に列島を沸かせたのが、陸上女子で、マラソン以外で初めて頂点に立ったやり投げの北口 榛花 はるか選手(26)。「言葉にできないくらいの気持ち」とうれし涙を見せたが、65メートル80の記録に満足しなかった。「夢では70メートルを投げられていたので悔しい。まだまだやり投げを極めたい」

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください