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レスリング日本勢躍進は「東京」のお釣り、ロシア不在も影響…LAにどうつなぐか[小林孝至の目]

読売新聞 / 2024年8月12日 21時27分

閉会式で入場するレスリングの(右から)藤波朱理、樋口黎、鏡優翔と文田健一郎(左)ら日本選手団(11日、サンドニで)=武藤要撮影

 11日まで行われたパリオリンピックで、レスリング日本勢が歴代最多の金メダル8個を量産した。最終日も男子フリースタイル65キロ級の清岡幸大郎(三恵海運)と女子76キロ級の鏡優翔(サントリー)が頂点に。1964年と2021年の2度の東京大会で記録した「5個」を更新する快進撃だった。

[小林孝至の目]

 4人が金メダルに輝いた女子は前半の藤波 朱理 あかり(日体大)に続き、後半に登場した初出場3人も個性と強さが光る戦いぶりだった。

 最重量級の76キロ級を日本勢で初めて制した鏡は、タックル成功率の高さが目立った。フェイントが巧みで、相手に重圧をかけながら隙を作り出すのがうまいから、タックルも決まりやすい。1メートル67の体格は世界的には小柄だが、手足の長い相手に下から潜り込んで戦えば体格差も埋められる。自分の勝ちパターンをしっかり持っているなと感じた。

 57キロ級の桜井つぐみと62キロ級の元木 咲良 さくら(ともに育英大助手)もそれぞれの持ち味を見せた。桜井は組み手でがっちりと相手の腕をつかんで振り回し、隙を作ってタックルで攻める。どちらかというと欧州の選手たちが使う戦術で、日本で相手をあそこまで振り回せる女子は少ない。元木はグラウンドの技術が女子の中で飛び抜けてうまい。タックルから2点で終わってしまうケースが女子は多いが、そこから確実に加点できる「つなぎ」の技術が高い。

 男子を含む金メダル8個は見事。ただ強豪のロシア不在の影響もあっただろうが、この躍進は東京五輪に向けた強化の「貯金」「お釣り」とも言えると思う。パリではその名残を生かせたが、ロサンゼルスまで勢いをつなげるにはさらなる工夫と努力が必要だろう。(ソウル五輪金メダリスト)

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