東海大相模 ３投手攻略

８回東海大相模、柴田が大会第１号本塁打を放つ

　第１０６回全国高校野球大会第６日の１２日、２回戦が始まり、４試合が行われた。東海大相模（神奈川）は富山商（富山）を零封して、出場３大会連続の初戦突破を果たした。広陵（広島）は熊本工（熊本）との接戦を制し、明徳義塾（高知）は鳥取城北（鳥取）に快勝。関東一（東東京）は北陸（福井）に逆転勝利した。

東海大相模４―０富山商

　東海大相模が零封勝ち。一回、金本の適時打で先制し、六回に和田の適時二塁打、八回に柴田の大会第１号本塁打で加点した。藤田が７回無失点、１３奪三振。富山商は４安打と打線が精彩を欠いた。

１９試合目の大会１号

　相手先発が地方大会で登板ゼロの左投手とわかっても、東海大相模の選手たちは動じなかった。試合直前のブルペンとマウンドでの投球練習で観察を終えた。

　一回一死一、二塁で、４番金本が左打席へ。外角の球を流し打って左前へ運び、先制点をもたらした。「（スタメンに５人が並ぶなど）左打者が多いから」と起用理由の一つを語った富山商・前崎監督の戦略を、金本がいきなり狂わせた。

　三回途中からは、右投手と 対峙 （たいじ）。打順が一回りすると、つかまえ、六回に連打で追加点を挙げた。直後に代わった３番手の右投手からは、八回に柴田がソロを放つ。開幕から１９試合目で飛び出した大会初アーチに、「昨夜、金本に『お前が（第１号を）打ちそうだな』って言ったら、自分が打って、びっくりした」と笑った。

　どんな投手でも攻略できるよう準備してきた。打撃練習では２０分ごとに投手を代え、左右や身長が異なるタイプを相手に打ち込む。金本は「データのあるなしに関係なく、対応できる」と胸を張った。この日は３投手から計１２安打を記録。２０１５年以来、３度目となる夏の頂点を目指す名門は、よく鍛えられている。（豊嶋茉莉）

東海大相模・原監督「（柴田の本塁打は）しっかりとスイングし、一番いい結果を出してくれた。チームとしても、うれしい一打」

富山商の４番　無念の無安打

　富山商の福田は、４番の役目を果たせなかった。九回一死二塁で、高めの直球をはじき返して中堅へ大きな当たりを飛ばしたが、捕球され、「捉えたと思ったけど、力不足です」。昨夏の甲子園でも４番に座り、敗れたものの３安打を放った。この日は無安打に終わり、チームは２年連続で初戦敗退。「自分の力を出し切れず、投手陣を助けられなかった」と悔しがった。

富山商・前崎監督「（相手先発の藤田は）想定以上の球で打てなかった。追い込まれてからボール球を振らされてしまった」