明徳義塾 手堅く７点

２回明徳義塾、高橋が送りバントを決める（捕手・石黒）

　第１０６回全国高校野球大会第６日の１２日、２回戦が始まり、４試合が行われた。東海大相模（神奈川）は富山商（富山）を零封して、出場３大会連続の初戦突破を果たした。広陵（広島）は熊本工（熊本）との接戦を制し、明徳義塾（高知）は鳥取城北（鳥取）に快勝。関東一（東東京）は北陸（福井）に逆転勝利した。

明徳義塾７―０鳥取城北

　明徳義塾は一回、藤森の犠飛で先制すると、五回には打者９人の猛攻で３点。六、七回にも加点して突き放した。先発の池崎は被安打５で完封。鳥取城北は４度の先頭打者出塁を生かせなかった。

高知県勢夏１００勝

　じわりじわりと得点を重ね、気づけば大差になっていた。２年ぶりに甲子園に帰ってきた明徳義塾のそつのない攻撃だった。

　１点リードの二回。先頭が死球で出塁すると、続く高橋が１球で犠打を決め、平尾の二塁打で加点した。五回にも犠打を絡めて好機を作り、３点を奪取。この回まで５安打で５得点と、効率良く主導権を握った。

　馬淵監督は低反発バットの導入で接戦が増え、今まで以上にバントミスや失策が勝敗を分けると考える。だから、例年より打力が高い今のチームでも得点圏へ着実に走者を送る。高橋も、監督から「確実にできることを徹底しないと点は取れない」と言われ、力を注いできた。

　鳥取城北は、無死から走者が出た場面で３度バントを試みたが、送れなかった。「スコアほどの実力差はなかった」と馬淵監督。これで高知県勢は夏１００勝目となった。その４割を占める明徳義塾の、手堅さがつまった一戦だった。（中安真人）

明徳義塾・馬淵監督「（３年ぶりの甲子園勝利に）校歌を聞いてうるっときた。池崎は制球が良かった。得点差が開いて伸び伸びと投球ができた」

鳥取城北右腕　リベンジ誓う

　鳥取城北は先発の２年生右腕・田中が明徳義塾の打線に屈した。一回に犠飛で先制されると、二回に１点、五回には３安打に四死球が絡んで３点を失い、この回途中で降板した。試合後、目を赤くした田中は「制球が定まらず、甘い球を捉えられた。先輩たちの力があったから甲子園で投げられた。来年は（ここで）２勝できる力をつけて戻ってきたい」と声を振り絞った。

鳥取城北・大林監督「四死球からの失点や、バントがしっかり決められなかったところから、大きく差が開いた」