関東一 ３回代走的中

３回関東一、成井の左飛で３塁走者・藤田が生還（捕手・小矢）

　第１０６回全国高校野球大会第６日の１２日、２回戦が始まり、４試合が行われた。東海大相模（神奈川）は富山商（富山）を零封して、出場３大会連続の初戦突破を果たした。広陵（広島）は熊本工（熊本）との接戦を制し、明徳義塾（高知）は鳥取城北（鳥取）に快勝。関東一（東東京）は北陸（福井）に逆転勝利した。

関東一７―１北陸

　関東一は三回、暴投で追いつき、成井の犠飛で勝ち越した。中盤以降も着実に加点し、リードを広げた。一回に先制した北陸は二回以降、好機で決定打が出ず、２年連続で初戦敗退となった。

　１点を追う三回無死一塁、関東一・畠中の送りバントで、三塁手が二塁へ悪送球し、好機が生まれる。ここで米沢監督が動いた。「終盤に、こんな場面は来ない。思い切って使った」と先発投手の畠中に代走を送った。

　託したのは、経験豊富な藤田。この策が的中した。次打者の送りバントで一死二、三塁となり、相手の暴投で追いつく。なおも一死三塁で、成井の詰まった飛球は中堅の左前へ。左翼手が二塁ベース方向へ走りながら捕球した。「体勢が悪いし、こっちを見てない。いける」。三塁走者の藤田はタッチアップして生還し、勝ち越した。

　１点でも多く取るためのプレーを磨いてきた。大事な初戦で成果を発揮した藤田は「起用に応えられてよかった。次も（自分の）足で流れを持ってくる」。チームには、頼もしい足のスペシャリストがいる。（滝口憲洋）

関東一・米沢監督「相手より少しだけ運があった。これだけ打てるとは思ってもいなかった」

兄弟で継投　北陸実らず

　北陸の４番手・竹田海は「流れを引きつけられず、エースの役目を果たせなかった」と悔やんだ。２点をリードされた五回、弟の竹田煌から一死満塁のピンチでバトンを受け継いだが、二死後に暴投で追加点を許した。昨夏も初戦の慶応（神奈川）戦で四回途中までに７失点を喫し敗戦。今年も勝利を手にできず、「弟と継投できたのはうれしかったが、悔しい。甲子園での勝利を目標にしてほしい」と夢を託した。

北陸・林監督「序盤の先制パンチは見事だった。先発の井黒も立ち上がりは良かった」