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ウクライナ、「金」3個含む12のメダル…困難な環境下で「侵略に屈しない」強い意思示す

読売新聞 / 2024年8月12日 23時50分

 【パリ=松久高広】ウクライナは11日閉幕したパリ五輪で、金3個を含むメダル計12個を獲得した。空襲の脅威や困難な練習環境の下でも、「ロシアの侵略に屈しない」との 強靱 きょうじんな意思を国際社会に示した。中立選手(AIN)の資格で個人競技に参加したロシアは銀メダル1個にとどまった。

 「どれだけの家が壊され、どれだけ多くの人が亡くなったのか。このメダルで少しでも元気づけたい」

 10日のレスリング女子62キロ級決勝で日本の元木咲良選手に敗れたものの、銀メダルに輝いたウクライナのイリーナ・コリャデンコ選手は試合後、記者団に語った。故郷のキーウ州イルピンで市民が犠牲になったことに触れ、声を詰まらせた。

 親族らと決死の脱出を図り、九死に一生を得た後、不安を抱えながら粘り強くレスリングに向き合い、「国旗を高く掲げ、人々を明るい気持ちにしたい」と五輪に臨んだという。

 ウクライナは世界が注目する五輪の舞台を、ロシアと戦い続ける姿勢を発信する場に活用した。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領も選手の活躍を逐一、SNSで称賛した。AP通信によると、パリ市内に設けられた選手やファンの交流拠点「ウクライナハウス」では戦争被害に関するドキュメンタリーが上映され、犠牲者の追悼も行われた。

 同通信によれば、女子走り高跳びで金メダルを獲得したヤロスラワ・マフチフ選手は、五輪の勝利がロシアとの戦いを際立たせる「スポットライト」をもたらすと振り返り、「金は、銀や銅より注目される。だからこそ勝つのが重要だった」と強調した。

 一方、ロシアはベラルーシとともに、個人競技で一定の審査を通過した「中立選手」のみが参加を認められた。ロシア選手は15人。テニス女子ダブルスで銀メダルのミラ・アンドレーワ選手は試合後、記者団に中立選手の立場を聞かれても「正直、関係ない。ただ試合でプレーするだけ」と言葉少なく語った。AINが獲得したメダルは国・地域別のランキングには反映されない。

 ロシアメディアからは「世界に国同士の武力衝突は多くあるのに、国際オリンピック委員会(IOC)はロシアに処分を下した」などとIOC批判が改めて出ている。

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