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「技は3年間で数十年分も進化」「アスリート化」…スケボー、対応した新世代がメダル

読売新聞 / 2024年8月14日 5時5分

スケートボード女子ストリートで金メダルの吉沢恋(左)と銀メダルの赤間凛音(7月28日、パリで)=三浦邦彦撮影

東京~パリ 3年後の決算<中>

 パリ五輪日本選手団は、国外開催の夏季五輪で史上最多となる20個の金メダルを獲得した。東京大会から3年を経て競技力向上、世代交代を進めてきた各競技の収穫と課題を検証する。

 2021年東京大会後に台頭した新世代が、日本のメダルラッシュに貢献するなど存在感を放った。

 初めて実施された前回大会で脚光を浴びたスケートボードは男女ともに10歳代の選手が奮闘した。女子ストリートで優勝した14歳の吉沢 ここ(ACT SB STORE)は地元の公園で練習をしていた3年前、初代女王の西矢 もみじ(サンリオ)が東京大会で決めた大技を自分も習得していると気づいた。「自分にもチャンスがあるかも」と世界の舞台に目を向けた。

 「3年間で技はかつての数十年分進化した。選手もアスリート化してきた」(日本代表コーチ)。競技の発展を受けて、トレーニング方法も多様化しつつあり、吉沢はトランポリンで空中感覚や体幹を鍛えた。15歳で銀メダルの赤間 凛音 りずも専属トレーナーをつけてジャンプ力などを高めた。

 男子ストリートでは、今大会で連覇を果たした堀米雄斗(三井住友DSアセットマネジメント)の前回の活躍もあって整備された東京都内の施設で腕を磨いてきた小野寺 吟雲 ぎんうが出場。今大会は14位ながら、14歳にして世界ランキング1位でパリに臨んだように好循環も生まれている。

 実施2大会目のスポーツクライミングでは男女ともに複合で前回の東京大会に出場した楢崎 智亜 ともあ、野中 生萌 みほうが準決勝で敗退した一方で、初出場の2人が決勝に進んだ。男子は17歳の安楽 宙斗 そらと(JSOL)が銀。女子の森 秋彩 あい(茨城県連盟)も得意のリードは決勝1位で、総合4位と奮闘した。関係者によると、国際連盟で今大会で採用されたボルダーとリードによる2種目複合の方式から、次回大会では各種目を独立させる機運が高まっているという。世界の動向を見据えた強化が4年後の活躍には欠かせない。

岡慎之助はジュニアから特別強化選手に特別に招聘

 体操男子では、20歳の岡慎之助(徳洲会)が団体総合、個人総合、種目別鉄棒を制して「3冠」に輝き、日本選手では1972年ミュンヘン大会の加藤沢男以来となる快挙となった。

 中学卒業後に社会人チームの徳洲会入りした岡は素質の高さを評価され、ジュニア時代から特別強化選手としてナショナル強化合宿に参加。トップ選手の技や練習を間近に見ながら実力を磨いた。日本体操協会の水鳥 寿思 ひさし・男子強化本部長は「素晴らしい逸材ということで特別に 招聘 しょうへいした」と振り返る。

 今後のルール改正で、跳馬をのぞく各種目で採点の対象となる技の数が減るため、一つひとつの技に求められる難度の高さや正確性が上がりそうだ。対策が急務で「フルモデルチェンジだと思う」と水鳥本部長。新世代が主力を担う次のロサンゼルス五輪に向けた戦いは既に始まっている。

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