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ホンダと日産 成否握るEV協業のスピード

読売新聞 / 2024年8月13日 5時0分

 電気自動車(EV)を巡る競争環境の変化は激しい。ホンダと日産自動車が合意した全面的なEVの協業は、スピード感が成否を握るだろう。

 ホンダと日産は、EVで全面的に協業すると発表した。車両に搭載するコンピューターを制御する基本ソフト(OS)の共通化や、基幹部品であるモーターやインバーターの共有など五つの領域で協力を進めていくという。

 日産が株式の34%を保有する三菱自動車も参画する。

 これにより、日本の自動車業界は、トヨタ自動車を中心とするグループと、ホンダ・日産・三菱自連合の2陣営に集約される。

 EVを巡る競争環境は急速に変化している。国策としてEVを推進する中国の市場では、中国製EVの普及が一気に進む。日本勢は、ガソリン車の販売が急減して苦戦が目立っている。

 ホンダと日産が踏み込んだ内容の協業で合意したのは、危機感が後押ししたのだろう。巨額の開発費用の負担も重い。国内2陣営が競い合うことで、日本のEVの商品力強化につなげてほしい。

 一方、欧米の主要国では、環境意識の高いユーザーには、EVが行き渡りつつある。ただ、充電時間の長さや、割高な価格に対し、消費者の不満は強く、販売台数の伸びが鈍化して、欧米メーカーは投資計画を見直している。

 世界のEV市場は、米テスラと中国BYDの2強が圧倒的なシェア(占有率)を誇ってきた。

 EVでの出遅れが指摘されてきた日本勢にとっては、巻き返す好機にあるとも言える。

 基幹部品の車載用電池は、中国が供給網を握り、圧倒的なコスト競争力を持つ。ホンダと日産は、両社が共用できる電池を開発し、コストを下げる必要がある。

 ガソリン車に比べ、部品数が少ないEVの開発スピードは極めて速い。モーターなど駆動装置の統一方法も詰めることが大切だ。

 日本ではこれまで、完成車メーカーを頂点として、傘下に多段階の部品メーカーを置く「ケイレツ」を強みに競争力を高めてきた。

 だが、部品の共通化が重要なEVの協業では、ケイレツの壁が障害になりかねない。部品メーカーの再編も避けられないだろう。

 「SDV」と呼ばれる次世代車への対応も重要である。SDVは、ソフトウェアの更新で、走行性能や事故防止機能などを向上させられるのが特徴だ。2030年の導入目標を前倒しできるよう、開発を急いでもらいたい。

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