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パリ五輪閉幕 選手の熱戦に平和への祈り

読売新聞 / 2024年8月13日 5時0分

 各国の選手たちが熱い戦いを繰り広げ、時に感極まって涙を見せた。世界各地で紛争が続く中、勝敗を超えて相手を たたえる姿に、平和の尊さを実感した人もいたに違いない。

 パリ五輪が閉幕した。高速鉄道の設備への破壊行為があり、緊張の中での開幕となったが、その後は大きなトラブルなどもなく、無事に競技日程を終えた。

 日本は幅広い年齢層の選手が活躍した。スケートボード女子で金メダルを獲得した吉沢恋選手は、14歳の中学生だ。決勝では「練習でもほぼ成功したことがない」という大技を鮮やかに決めた。

 馬術は、92年ぶりのメダル獲得という快挙を成し遂げた。メンバーの平均年齢は40歳を超え、自分たちで名付けたチームの愛称「初老ジャパン」が話題になった。

 「大逆転」も大きな感動を呼んだ。体操の男子団体では、最終種目の鉄棒で中国を逆転して優勝を飾った。スケートボード男子の堀米雄斗選手も最終滑走で大技を決め、五輪2連覇を達成した。

 いずれも最後まで諦めずに挑戦する姿勢が印象的だった。

 「お家芸」のレスリングは男女計8個の金メダルを獲得した。女子やり投げの北口榛花選手も実力を見せ、佐藤大宗選手は近代五種で日本勢初のメダルを取った。

 日本の金メダル獲得数は20、銀と銅を加えた総獲得数は45で、いずれも海外開催の五輪では最多となった。努力を重ねた選手たちに大きな拍手を送りたい。

 今大会は、ロシアのウクライナ侵略や、パレスチナ自治区ガザへのイスラエルの攻撃が続く状況下で開催された。金メダルに輝いたウクライナの女子走り高跳び選手は、「国を守る人々のためのメダルだ」と語った。

 戦況の悪化で苦境にある選手が安心して競技に臨めるようにすることが国際社会の務めである。

 今回はコロナ後の「新しい五輪」の提示を試みた大会だった。

 性別や人種、文化の違いを超えた「多様性」や、環境面への配慮など「持続可能性」を掲げ、施設の新設ではなく、パリ市街や既存施設を会場として利用するなど、経費の節減にも取り組んだ。

 開会式の演出に、ローマ教皇庁が不快感を表明するなど課題もあったが、「商業五輪」から脱却し、魅力ある大会を開催するためのヒントになるかもしれない。

 五輪を巡っては、SNS上の選手への 誹謗 ひぼう中傷や、国際競技団体によるメダリストへの賞金授与など、検討すべき問題も残した。

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