「今、揺れが起きたら」考える癖を身に着けよう…危機管理アドバイザー・国崎信江さんに聞く
読売新聞 / 2024年8月13日 17時32分
南海トラフ地震の臨時情報(巨大地震注意)を、私たちはどう受け止め、備えを進めるべきか。危機管理アドバイザーの国崎信江さんに聞いた。
臨時情報が出て、驚いたり、困惑したりした人は多いと思う。対象地域では、8日から1週間の防災対応が求められているが、1週間以内に必ず巨大地震が起こるわけではなく、過剰に恐れる必要はない。この機に、日頃の備えが十分かを確認し、見直しを進めてほしい。
対象地域に暮らす人たちにまずやってほしいのは、命を守るための備えだ。自宅や職場、学校など、1日の多くを過ごす場所のハザードマップを見て、どんな災害リスクがあるかを確認してほしい。自分や家族がどう避難するかを考え、想定しておけば、いざ起きた時にも慌てずに行動できる。対象地域に帰省や旅行などで出かける場合も同様だ。
南海トラフ地震は揺れも強く、自宅の耐震性が十分でないと逃げ遅れにつながる恐れがある。日本建築防災協会などがホームページで、建築時期などから耐震性がわかるチェックリストを公開しているので、不安がある人はぜひ調べてみてほしい。専門家による耐震診断や耐震補強の支援制度を導入している自治体は多いので、耐震補強を検討する際は確認しておきたい。
何事もなく1週間が経過しても、巨大地震の脅威が消えるわけではないので、できる範囲で備えを続けていくことが重要だ。例えば、仕事中や移動中など、日常を過ごしながら「今、揺れが起きたらどうなるだろう」と、考えてみてほしい。こうした癖が身につくと、自然と危険を避けるようになり、命を守る行動につながるからだ。(聞き手 野崎達也)
くにざき・のぶえ 2008年に危機管理教育研究所を設立。同研究所代表のほか、国や自治体の防災関係の委員も務める。
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