滋賀学園１４安打、貫いた積極打法…自分たちで狙い球を絞るが甘い球は逃さない

２回滋賀学園、多胡が適時打を放つ（捕手・千葉爽）

　第１０６回全国高校野球大会第７日の１３日、２回戦４試合が行われた。霞ヶ浦（茨城）は延長十一回タイブレイクの末、智弁和歌山（和歌山）に競り勝ち、初出場校同士の対決は、石橋（栃木）の入江が聖和学園（宮城）を完封し、ともに甲子園初勝利を挙げた。今春の選抜８強の青森山田（青森）は長野日大（長野）に快勝し、７年ぶりの初戦突破。滋賀学園（滋賀）は投打がかみ合い、最後の登場となった花巻東（岩手）を破って、初めて３回戦に進んだ。

滋賀学園５―０花巻東

　滋賀学園が全員安打となる１４安打で快勝。二回、５安打を集めるなどして３点を奪うと、五回には４長短打で突き放した。先発の脇本は被安打６で完封。花巻東は走塁ミスが響いた。

　滋賀学園の打者は、自分たちで狙い球を絞る。だからといって甘い球は逃さない。その対応力を発揮した。

　二回、先頭の５番仲田が初球から甘い変化球を中前へ運び、東坂、作田と３連打で先制。二死後、「真っすぐ狙い」だったという１番多胡も初球の高い変化球を左前適時打とし、追加点を挙げた。五回にも左の軟投派を攻略するなど全員の１４安打。仲田は「甘い球は逃さない意識で打席に立っている」という。

　開幕戦に続き、２試合連続の２桁安打。昨秋の近畿大会敗退後、低反発バットで鋭い打球を飛ばすために約４か月、１日５００スイングを課してきた。振りの鋭さが増すと、打席で落ち着きが生まれた。速球狙いでも、緩い球に対応できる自信が生まれたからだ。

　山口監督は「自分が振れる球を積極的に狙い、滋賀を制した」と振り返る。好球必打の姿勢は大舞台でも変わらなかった。（中安真人）

滋賀学園・山口監督「脇本が粘ってくれた。点を取ったあとの回をしっかり０点に抑えた。打線は好投手にしっかり食らいついていった」

花巻東の１年生　４番で成長誓う

　花巻東は６安打に抑えられ、零封負けを喫した。１年生ながら４番に座る古城は一、四回に安打を放ったものの打線がつながらず。以降の２打席は三ゴロ併殺打、見逃し三振に終わった。古城は「試合終盤は速球に差し込まれてしまった。３年生に申し訳ない。この悔しさを糧に、チームを勝たせる打撃ができるように練習したい」と声を絞り出した。

花巻東・佐々木監督「流れがつかめないまま、終わってしまった。力を出し切らせることができなかった。監督として無力さを感じている」