青森山田９点の破壊力、相手変則左腕を左打者が攻略…「五回までに降ろしたい」の狙い通り

３回青森山田、橋場が先制の２点打を放つ（捕手・堀内）

　第１０６回全国高校野球大会第７日の１３日、２回戦４試合が行われた。霞ヶ浦（茨城）は延長十一回タイブレイクの末、智弁和歌山（和歌山）に競り勝ち、初出場校同士の対決は、石橋（栃木）の入江が聖和学園（宮城）を完封し、ともに甲子園初勝利を挙げた。今春の選抜８強の青森山田（青森）は長野日大（長野）に快勝し、７年ぶりの初戦突破。滋賀学園（滋賀）は投打がかみ合い、最後の登場となった花巻東（岩手）を破って、初めて３回戦に進んだ。

青森山田９―１長野日大

　青森山田は三回、橋場、蝦名の連続長短打で４点を先行。四回に佐藤洸のソロ、七回には集中打で加点し、関が完投で援護に応えた。長野日大は先発の山田がつかまり、打線も攻めきれなかった。

　青森山田の強力打線が相手の変則左投手を攻略した。流れを呼び込んだのは、主将の６番橋場だ。

　三回、敵失を足がかりに二死満塁と攻め、左打席へ。「独特の距離感だったが、体があまり開かないよう意識していた」と内角直球に反応し、引っ張った。打球は右前へ届き、先制点をもたらした。蝦名も適時二塁打で続き、２点を追加。「五回までに降ろしたい」というチームの狙い通り交代に追い込んだ。

　左打者をポイントに挙げていた橋場を含めスタメンに名を連ねた左打者４人のうち３人が安打を記録。橋場は「背中（の後ろ）から入ってくる（ような軌道の）球をしっかりたたけたのが勝因の一つ」と振り返った。

　新チーム発足後、練習時間の多くを打撃に割いてきた。青森大会では５試合で５３得点し、チーム打率は４割を超える。この日も２投手から１１安打を放ち、５本が長打（本塁打１本）。高い対応力と破壊力を見せつけた。（豊嶋茉莉）

青森山田・兜森監督「（１失点で完投した関は）淡々と自分のペースで試合をコントロールしてくれ、安心して見ることができた」

長野日大の先発　途切れた無失点

　長野日大の左腕・山田は長野大会では２３回２／３を無失点でしのいでいたが、甲子園では３イニング目で失点した。三回のピンチで連続長短打を浴びて４点を失い、降板。「堀内には外角を要求されたが、中へ入ってしまった」と悔やんだ。新チームになって外野手から投手に転向。変則の２段モーションを投げ込みで自分のものにした。「このフォームにしなかったら甲子園には来られていない。悔いはない」と胸を張った。

長野日大・松橋監督「（三回は）二つの失策で、相手に流れがいってしまった。そこを逃さず、点を取る青森山田の集中力と攻撃力がないと、勝てないと教えてもらった」