石橋のエース入江が11K完封…外角低め変化球にキレ「ボール球を振らされた」相手校監督脱帽
読売新聞 / 2024年8月14日 5時0分
第106回全国高校野球大会第7日の13日、2回戦4試合が行われた。霞ヶ浦(茨城)は延長十一回タイブレイクの末、智弁和歌山(和歌山)に競り勝ち、初出場校同士の対決は、石橋(栃木)の入江が聖和学園(宮城)を完封し、ともに甲子園初勝利を挙げた。今春の選抜8強の青森山田(青森)は長野日大(長野)に快勝し、7年ぶりの初戦突破。滋賀学園(滋賀)は投打がかみ合い、最後の登場となった花巻東(岩手)を破って、初めて3回戦に進んだ。
石橋5―0聖和学園
石橋は四回、伊沢、若月の連続適時打などで4点を先行すると、七回にも加点。先発した入江が4安打完封でリードを守った。聖和学園は中盤まで再三、三塁まで走者を進めたが本塁が遠かった。
「石橋」と聞いて、栃木を思い浮かべる高校野球ファンがどれほどいるだろう。
昨春の選抜に21世紀枠で初出場した際は、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の準決勝、日本戦の中継と重なっていた。「今回はパリ五輪も終わって、甲子園に集中してもらえる」。冗談めかした福田監督の言葉の土台には、選手への信頼があった。
選抜の経験がある先発の入江が躍動した。毎回の11奪三振のうち、空振りが10個。二回二死一、三塁のピンチでは外角低めのスライダーでバットに空を切らせた。「予想以上に変化球が切れていて、ボール球を振ってしまった」と聖和学園の八島監督も脱帽した。
六回からは脚がつって何度も治療を受けたが、最後までマウンドを譲らず、4安打完封を成し遂げた。入江は「最後は気持ち。ストライク先行で自分らしい投球ができた」と喜んだ。
21世紀枠で春夏通じて初の甲子園出場を果たし、そこから地道な練習を繰り返した。「強くなって戻ってくることが恩返し」と福田監督。栃木大会準決勝で作新学院、決勝で国学院栃木という強豪を撃破して乗り込んだ。栃木の県立校「石橋」の名前は、人々の脳裏にしっかりと刻まれた。(古島弘章)
石橋・福田監督「夢を見ているようで、子どもたちは本当にすごい。それに尽きる。入江は後半になればなるほど力を発揮する。彼に今日は託した」
聖和学園の先発 4回に突然乱調
聖和学園の先発・斎藤佑は右横手から低めに集めて打たせて取り、三回まで無失点に抑えた。だが四回に制球を乱す。四死球などで一死満塁のピンチを招き、浮いた緩い球を右打者に右翼線へはじき返されて2点を失うと、続く左打者にも真ん中の球を右前打された。4回4失点で降板。突然の乱調に、「野手に助けてもらったのに、自分が情けない」と責任を背負い込んだ。
聖和学園・八島監督「終盤まで1、2点差くらいでいきたかった。序盤で(点を)取り切れなかったことが最後まで響いた」
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