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訪日客本格回復 地方の魅力をもっと伝えたい

読売新聞 / 2024年8月14日 5時0分

 今年上半期の訪日外国人客数が過去最高を記録した。地方の魅力をさらに伝えるため、地域が連携して海外への情報発信を強化していきたい。

 今年1~6月の訪日客数が前年同期から6割超増え、約1778万人となった。ピークの2019年を上回り、上半期として過去最高を記録した。消費額も3・9兆円と過去最高だった。

 新型コロナウイルスが昨年5月に感染症法上の「5類」となり、厳格な行動制限が緩和され、訪日客数は順調に回復している。

 アジアを代表する観光地として日本の魅力が、海外でも浸透しているのだろう。円安で日本旅行の割安感が強まったこともある。

 政府は30年に6000万人の訪日客数を目標に掲げている。達成するには、何度も日本を訪れる訪日客を増やすことが重要だ。

 そのためには、地方の魅力を海外に伝えていくことも大事だ。

 訪日客は、9割近くが東京、大阪、京都、北海道、福岡など9都道府県に集中しているという。

 観光客が増えて地域住民の生活に悪影響を及ぼす「オーバーツーリズム」(観光公害)の問題も再燃しているだけに、訪日客を各地に分散させることが望ましい。

 地方には魅力的な観光資源が多く、食や温泉、祭りなどに特色がある。訪日客側には、日本文化を学ぶニーズが強く、双方にとってメリットがある。

 お茶の産地として知られる佐賀県嬉野市では、旅館や農家などが連携し、「ティーツーリズム」に力を入れている。茶葉の種類や栽培方法、地域の歴史などについて説明を受けながら、日本茶を楽しむプランが人気だという。

 地域の食文化などを学ぶ「ガストロノミー(美食学)」も、世界的に注目されている。海や山の食材に恵まれ、多様な調理法を培ってきた日本にとって、誇れる観光資源になるだろう。

 情報発信を強化する際には、地域が個別にPRするだけでは、訴求力が限られる。東北、北陸、九州といった地方ごとに、広域で自治体や飲食業界、宿泊施設などが連携する必要がある。

 地方での受け入れ態勢の整備に向け、人手不足への対策も急務だ。人手の確保や、公共交通網の整備などに充てるため、宿泊税を検討する自治体が増えている。

 ただし、宿泊事業者側には、事実上の宿泊料金の値上げで、競争力が低下する懸念がある。値上げしても客離れを招かぬよう、付加価値を高める工夫も大切だ。

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