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「荒木飛呂彦さんに褒めてもらって…」、南海キャンディーズ・しずちゃんがボクシングや絵画に挑戦できた理由

読売新聞 / 2024年8月18日 10時0分

短大の卒業を控え、将来の進路に悩んだしずちゃん(山崎静代さん)(45)。アイドルや俳優になる挑戦を続ける中で、ひょんなことからお笑いへの道が開けたという。

 「どうしても会社に就職するイメージがわかなくて…。やっぱり夢を諦められず、アイドルグループ『モーニング娘。』のオーディションに応募しました。でも、書類選考で不合格(笑)。短大卒業後は、就職せずカラオケ店でアルバイトをしていましたが、『このままではダメだ』と悩んでました。今振り返っても本当につらい、暗黒の日々です。

 ある時、ふと『女優もいいな』と思い、演技を学べる『劇団ひまわり』のスクールに通い始めたんです。設定を与えられて自由に演じるという授業が好きでした。泣かせる演技でもいいのですが、なぜか私は『見ている人を笑わせたい』と思って演技を考えてました。1人でコントを書き続けるうちに、『私は人を笑わせたいんだ』と気づきました。 滑舌 かつぜつが悪い、声が小さいとダメ出しされてスクールはやめましたが、お笑いという新たな方向が見つかりました」

初めてお笑いコンビを組んだ相方は、中学校の同級生だった。

 「中学校で同じ陸上部だった前野里美さんに、『コントのネタを書いたから、一緒にやらへん?』と声をかけました。前野さんは吉本興業のタレント養成所に通っていたと聞いてたので、しばらく会ってなかったのですが、思い切って連絡してみました。すると、OKの返事! コンビ名は『西中サーキット』にしました。中学校の通称『西中』と、陸上部の練習メニューが由来です。

 2人でオーディションライブに出場してウケたことを機に、先輩のライブに呼ばれるようになりました。お笑いの世界では、私の大きな体は『個性』だと思えるようになり、コンプレックスも消えていきました。

 若手の登竜門といわれるお笑いコンクールで審査員特別賞を受賞し、東京で仕事をもらえるまでになったのですが、相方の前野さんに『やめたい』と言われて、解散しました。その後は色々あり、今の相方の山ちゃん(山里亮太さん)に誘ってもらって、新しくコンビを組みました」

山里さんとコンビを組んだ「南海キャンディーズ」は、結成の翌年、日本一の若手漫才師を決める「M‐1グランプリ」で準優勝を果たす。

 「ありがたいことに、全国的に名前が知られるようになり、お笑い以外の仕事も増えました。ある番組の企画で絵を描く機会があって、『ジョジョの奇妙な冒険』で知られる漫画家の 荒木飛呂彦 あらきひろひこ先生に めてもらったんです。それから本格的に絵を描き始めました。

 俳優として出演したドラマの役づくりで、ボクシング指導者の梅津正彦さんと出会ったことをきっかけに、ボクシングにも夢中になりました。オリンピック出場の夢はかないませんでしたが、人生で初めて『燃え尽きるまで挑戦したい』と思いました。『お笑いじゃないの!?』というツッコミが聞こえてきそうですが(笑)。

 ずっと指導してくださった梅津さんは10年ほど前、がんで亡くなりました。梅津さんからいただいた言葉を残しておきたくて、『このおに』という絵本を作りました。梅津さんは厳しい『鬼コーチ』でしたが、大好きな方で感謝しかありません。

 私には、絵を描くことで心のバランスがとれるような感覚があるんですよね。旅先だったり、コロナ禍だったり、その時々の思いを目に見える絵で表現することに、心地よさや安心感のようなものを覚えます。

 人に恵まれて、運も良くて、今の私があります。ただ、『アイドルになりたい』という気持ちや直感を大切にして一歩踏み出してみたら、意外な道が色々と開けました。やってみたいことがあるって素晴らしいことだなぁと思います。皆さんも、やってみたいことが見つかったら、まずは一歩、挑戦してみてほしいです」

(おわり。聞き手は読売中高生新聞編集室・矢子奈穂)

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