1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

4大公害病のイタイイタイ病、生存患者がゼロに…富山市の93歳女性が死去

読売新聞 / 2024年8月14日 12時7分

原告側の全面的な勝訴となった第1次「イタイイタイ病損害賠償請求訴訟」(富山地裁で、1971年6月30日撮影)

 4大公害病の一つで、富山市の神通川流域で発生したイタイイタイ病(イ病)を巡り、生存する唯一の認定患者だった同市の女性(93)が、11日に亡くなっていたことがわかった。遺族が明らかにした。富山県が1967年に患者の認定を始めて以来、生存患者がゼロになるのは初めて。

 イ病は、三井金属鉱業神岡鉱業所(現神岡鉱業、岐阜県飛騨市)の鉱山から排出されたカドミウムで、腎臓が障害を受け、骨が極端にもろくなる公害病。この女性は2022年8月、富山県知事から認定通知を受けた。新規の認定は15年以来、7年ぶりだった。

 県健康課によると、これまでに認定された患者は201人。イ病になる可能性が否定できない「要観察者」は345人で、このうち生存者は90歳代の女性1人となっている。このほか、新たな申請が出され、患者に認定される可能性もある。

 死亡した女性は神通川流域で育ち、幼い頃から川の水を飲み、近くで収穫されたコメを食べていた。40歳頃から足や膝に痛みを覚え、70歳を過ぎると就寝中に全身の痛みで目覚めるようになった。足の骨や骨盤も折れ、7年前から歩行につえが必要になったという。

 被害者団体・イ病対策協議会の江添良作会長は「生きている患者はゼロになったが、問題はこれで終わりではない。今後も被害地域の人に対し、イ病の健康調査があることを伝えるとともに、被害を後世に伝える活動を続けたい」と語った。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください