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智弁学園 決め球進化 エース完投 4番封じる 

読売新聞 / 2024年8月15日 5時0分

健大高崎に勝利し、ガッツポーズする智弁学園の田近

 第106回全国高校野球大会第8日の14日、2回戦4試合が行われた。智弁学園(奈良)は、春夏連覇を目指した健大高崎(群馬)を逆転で破り、2年連続で3回戦へ進んだ。京都国際(京都)の西村は新潟産大付(新潟)を、小松大谷(石川)の西川は、過去5度優勝の大阪桐蔭(大阪)を完封した。小松大谷は初めての16強入り。西日本短大付(福岡)は、 菰野 こもの(三重)に今大会最多13得点で大勝し、14年ぶりに2回戦を突破した。

智弁学園2―1健大高崎

 智弁学園が接戦を制した。同点の九回、二死一、二塁から佐坂の適時打で決勝点を奪った。エース田近は8安打1失点で完投。健大高崎は一回に先制したが、その後は再三の得点機を生かせず。

 気合を注入するため、智弁学園の小坂監督はあえて強烈なフレーズで、エース田近を送り出した。「箱山君をつぶしにいけ」――。

 強打者で、健大高崎の頭脳とも呼べる捕手・箱山。田近は「箱山選手が崩れたら、チームも崩れていく」と闘志を内に秘めた。

 1週間前の開幕日、タイブレイクとなった第3試合で先発力投し、就寝は深夜0時。温泉に入り、軽めの運動で体力回復に努めても疲労は取れず、この日もまだ「体が重い」と感じていた。案の定、わずか8球で失点した。

 しかし、直後の箱山との対戦で、得意の球が生きた。追い込み、チェンジアップを投げ込むと、バットが空を切った。以後、ピンチをこの決め球で切り抜け続け、箱山も4打数無安打に封じた。9回1失点、10奪三振の完投に「箱山選手へのチェンジアップがベストショット。勝因になった」と喜んだ。

 中学時代から投げてきたチェンジアップは、進化を続ける。「右打者には外に逃げるように落とし、左には、あまり内に入ると拾われるから、まっすぐ縦に落とす」と明かす。

 小坂監督は「もう今日は箱山君対智弁学園だったと思う」と言った。「ほとんど完璧に近い」と田近が豪語する伝家の宝刀が、春夏連覇の夢を打ち砕いた。(中村孝)

健大高崎 春夏連覇逃す 

 健大高崎の主将箱山は試合後、涙をこらえることができなかった。三回の守備では、狙いすました送球で二盗を阻止するなど、守りで投手をもり立てた。選抜後、送球の精度向上を掲げ、ステップの反復練習に取り組んできた成果が出た。だが、打撃では八回、得点圏に走者を置いて左飛に倒れるなど、この日は無安打。甲子園の土は持ち帰らず、「プロになって必ず戻ってきたい」と目を真っ赤にしながら誓った。

健大高崎・青柳監督「非常に素晴らしいチームと1年間(野球を)できた。(主将の箱山は)いろんなことを背負ってやってきてくれたので感謝している」

智弁学園・小坂監督「いい場面で佐坂に回った。初球をよく打ってくれた。田近は智弁のエースらしい投手になってきた。今日は無駄な球がなかった」

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