西日本短大付 磨いた選球眼

１回西日本短大付、適時２塁打を放ち笑顔を見せる井上蓮

　第１０６回全国高校野球大会第８日の１４日、２回戦４試合が行われた。智弁学園（奈良）は、春夏連覇を目指した健大高崎（群馬）を逆転で破り、２年連続で３回戦へ進んだ。京都国際（京都）の西村は新潟産大付（新潟）を、小松大谷（石川）の西川は、過去５度優勝の大阪桐蔭（大阪）を完封した。小松大谷は初めての１６強入り。西日本短大付（福岡）は、 菰野 （こもの）（三重）に今大会最多１３得点で大勝し、１４年ぶりに２回戦を突破した。

西日本短大付１３―０菰野

　西日本短大付は一回、井上蓮の適時二塁打で先制すると、三回には４安打に四死球など打者１２人を送って一挙８得点。村上、中野の継投で零封した。菰野は散発４安打に抑え込まれた。

３回一気８点

　西日本短大付が８点を挙げた三回。打者１２人の攻撃で安打は４本だったが、相手の２投手に計５６球を投げさせた。各打者は、磨かれた選球眼でボール球に手を出さず、打てる球が来るまで待っていた。

　この回、攻撃の起点となったのは２番井上蓮だ。２球で追い込まれたが、ボール球をしっかり見送り、四球で出塁した。その後、打線は安打に四死球、犠飛を絡め、ビッグイニングにつなげた。「打つだけでなく、四球を選んだことが大きい」と井上蓮は胸を張った。

　初戦の金足農（秋田）戦では６四球をもぎ取り、四つが得点に結びついた。同じく六つを得たこの日、井上蓮が一回に適時二塁打で迎え入れたのは四球で出た走者だった。「打撃練習でボール球を振らないよう徹底させた結果」と西村監督。２試合続けて２桁安打と強打に目が向きがちだが、選球眼が切れ目のない打線を支えている。

（古島弘章）

菰野先発６失点

　菰野の先発は、この夏初登板の背番号「３」の森。「大舞台ほど力を発揮するタイプ」と森田監督が送り込んだが、三回途中６失点の投球に、森は「簡単に芯ではじき返された。試合を崩してしまった」と涙が止まらなかった。先発メンバーがほぼ２年生というチームで三重大会を勝ち上がり、甲子園で初勝利も挙げた。「３年生の支えがあった。これからは自分たちで頑張る」と森は前を向いた。

西日本短大付・西村監督「ちょっと、びっくりする結果。選手たちが想定以上に伸びやかに動いてくれ、こちらが助けられている」

菰野・森田監督「初回に点が入っていれば、また違った展開になったはず。継投が後手に回ってしまったのは私のミス」