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JR九州高速船の「クイーンビートル」浸水隠蔽、前社長が指示…裏管理簿に日々の浸水量記録

読売新聞 / 2024年8月15日 1時53分

 JR九州高速船(福岡市)が、博多と韓国・ 釜山 プサンを結ぶ旅客船「クイーンビートル」(定員502人)で浸水が発生していることを隠して3か月以上運航を継続していた問題で、親会社のJR九州の松下琢磨・取締役常務執行役員は14日、記者会見し、浸水の 隠蔽 いんぺいはJR九州高速船前社長の田中渉氏の指示で行われていたことを明らかにした。松下氏は「許されない行為が発生していた。大変申し訳ない」と謝罪した。

 松下氏らの説明によると、2月12日にクイーンビートルの船首部分で2~3リットルの浸水が確認された。浸水発生は現場から田中氏に報告されたが、田中氏の指示で国土交通省に報告しないことを決定。法令で義務づけられた検査や修理も行わなかった。

 さらに、浸水を隠蔽する工作の具体例も明らかにされた。設備の不具合などを記載する航海日誌や整備記録には「異常なし」と虚偽記載をした上で、外部には出さない「裏管理簿」を作成し実際の浸水量を日々記録していた。

 同船は浸水を隠蔽したまま運航を継続。1日の浸水量は2~20リットル程度で、港に停泊中にポンプで排水していた。しかし、5月27日に突如、浸水量が736リットルに急増。隠蔽を続けるため、船首部分の船底に設置されていた浸水警報センサーを高さ44センチから1メートルまで上部にずらして発動しないようにした。航行中もポンプで排水しながら運航を継続した。これらの隠蔽工作はすべて田中氏も把握した上で実行されていた。

 その後、浸水はさらに悪化し、30日には1メートルの高さまでずらした警報センサーが発動。JR九州高速船は、この時点で初めて浸水が確認されたように偽装して国交省に報告、船はドック入りした。船首部分からは1・1メートルの亀裂が見つかった。

 船は修理を終えて7月11日に運航を再開。今月6日に国交省の抜き打ち監査があり、乗務員への聞き取りで隠蔽が発覚した。

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