掛川西アルプス席、マネジャー兼記録員の父「ここに連れてきてくれて感謝しかありません」…自身は県大会決勝で敗れる

マネジャー兼記録員の娘が支えるチームを懸命に応援する近藤明仁さん（甲子園球場で）

　第１０６回全国高校野球選手権大会第９日の１５日、第２試合に登場した掛川西（静岡）アルプス席には、マネジャー兼記録員の近藤咲良さん（３年）の父・明仁さん（４５）の姿があった。

　明仁さんは、同校野球部ＯＢで１９９６年夏の静岡大会決勝で敗れ、惜しくも甲子園出場を逃した。そのことを知った咲良さんは小学６年の頃、テレビで高校野球の中継を見ながら「私が（お父さんを）甲子園に連れて行く」と約束してくれたという。

　それから野球のルールやスコアの付け方を覚え、中学では「選手」の気持ちを知ろうとソフトボール部に入部。高校は進学校としても知られる父の母校を選んだ。午後１０時頃に帰ってから勉強し、朝午前６時頃に家を出る生活を続けてきた。

　明仁さんは「一つ一つ、着実に夢をかなえていってくれる頼もしい娘。ここに連れてきてくれて感謝しかありません」と頬を緩めた。