岡山学芸館 再び零封…背番号１１ 縦変化駆使

完封しガッツポーズで喜ぶ岡山学芸館の丹羽

　２回戦４試合が行われた。大社（島根）が延長タイブレイクの末に創成館（長崎）を破り、杵築中として初出場した１９１７年以来１０７年ぶりの夏２勝を果たした。早稲田実（西東京）も延長タイブレイクで鶴岡東（山形）にサヨナラ勝ち。神村学園（鹿児島）は中京大中京（愛知）を退け、岡山学芸館（岡山）は掛川西（静岡）を零封して勝ち進んだ。第１０日から３回戦に入る。

岡山学芸館２―０掛川西

　岡山学芸館は二回、内野ゴロの間に先制し、七回には先発・丹羽の適時打で加点した。丹羽は被安打６で完封した。掛川西は一、六、九回に一死から得点圏に走者を進めたが、後続が倒れた。

　しなやかな投球フォームから、小気味よくアウトを重ねていく。岡山学芸館の先発・丹羽の完封劇は、佐藤監督に言わせれば「出来すぎだけど、想定通り」だった。

　指揮官は対戦相手が掛川西に決まると、この夏全ての映像を確認。「縦の変化は打てない」という確信を得た。１回戦は抑えで起用した丹羽を先発に抜てきしたのは、制球力にたけ、スプリットや落差のあるカーブといった縦方向に落ちる変化球をいくつも操ることができるからだ。

　「打者の反応をみて縦横の変化球を使い分けた」と丹羽。序盤から落ちる球をカウント球として使ったり、決め球としたり。１点リードの六回一死一、二塁のピンチでは、３番を外角スプリットで三振に取り、次打者を二ゴロに。「映像よりいい球で、手元で落ちた。もっと狙い球を絞れていれば……」。無安打１三振に終わった掛川西の５番山下はそう言ってうつむいた。

　２戦連続で零封し、エース沖田も温存できた。「最高の形で後ろに託そうと全力で投げ続けた結果。自信がつくマウンドになった」と背番号１１。初の３回戦突破に向け、弾みがつく１勝だ。（後藤静華）

岡山学芸館・佐藤監督「（初の夏２勝に）丹羽がしっかり締めてくれたおかげ。野手もしっかり連係をとって最後まで気を抜かず守ってくれた」

掛川西先発　粘投２失点

　掛川西の先発高橋は、右横手からコーナーの両サイドに投げ分け、７回２失点と粘投。特に右打者へは内を突く１２０キロ台のスライダーが効果的だった。だが七回、二死三塁のピンチで相手先発の丹羽に真ん中よりに入ったスライダーを狙われて左前適時打とされ、２点目を失った。高橋は「少しでも甘いと見逃してくれない打線だった」と唇をかんだ。

掛川西・大石監督「相手投手の軸になる球を（狙おう）と思っていたが、少し低めの球に手を出してしまった」