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最大34mの津波想定、高知の避難所の車いす女性「一人でいるときっと不安」…南海トラフ臨時情報終了に安堵

読売新聞 / 2024年8月16日 7時10分

津波への注意を促す看板が設置された白良浜海水浴場(和歌山県白浜町で)=大家広之撮影

 南海トラフ地震の臨時情報(巨大地震注意)の呼びかけが終わった15日、対応に追われた自治体や市民からは 安堵 あんどの声が漏れた。大規模地震の懸念がなくなったわけではなく、「これを機に、防災の取り組みを続けたい」との声もあがった。

一安心

 「世話をしてくれるスタッフの人たちも優しく、ゆったりと過ごせた」

 最大34メートルの津波が想定されている高知県黒潮町。避難所に身を寄せていた車いすの女性(90)は、15日に臨時情報の呼びかけが終了し、ほっとした様子で話した。町内に一人暮らしで、「一人でいると、きっと不安で仕方がなかっただろう」。

 読売新聞の調べでは、対象地域29都府県(707市町村)のうち、少なくとも4県24市町村が計139か所に避難所を開設した。このうち高知県では、多い時で20市町村113か所に設けられたが、15日午後5時以降、全て閉鎖された。

 8日の地震で最大震度6弱を観測した宮崎県日南市は、15日夕に災害対策本部の会議を開催。臨時情報を受け、全職員534人で最高レベルの警戒態勢を敷いてきたが、大雨警報発表時などと同レベルの情報連絡本部へと移行し、危機管理室を中心とした9人態勢とすることを決めた。高橋透市長は「(1週間を迎え)とりあえず一安心したが、課題を洗い出し備えたい」と述べた。

避難経路を再確認

 津波の襲来が懸念される高齢者施設などでは、備えの見直しが進んだ。

 三重県南伊勢町の海沿いにある「介護付き有料老人ホームみなみいせ」では、臨時情報の発表後、避難経路や備蓄品を改めて確認。施設周辺では最大約12メートルの津波が想定されており、82~102歳の入所者計27人と職員は約50メートル離れた津波避難タワーに向かう手順を確かめた。

 濱口新太郎施設長(54)は「今後も気を緩めることなく、地域の人と連携しながら災害への備えを進めたい」と話した。

観光に打撃

 今回の臨時情報はお盆休みとも重なり、海水浴場の閉鎖や宿泊のキャンセルなど、観光業界にも影響が及んだ。

 4か所の海水浴場を閉鎖した和歌山県白浜町は15日、1週間ぶりに閉鎖を解いて海水浴を再開した。年間数十万人が訪れる 白良浜 しららはま海水浴場では、町が避難経路を示した看板を設置し、場内放送で「いつでも上がれるように遊んで」「地震発生時は津波フラッグを目印に逃げて」などと呼びかけた。

 松山市の道後温泉で33の旅館、ホテルが加盟する「道後温泉旅館協同組合」の調査によると、15日午前の時点で765人分のキャンセルが判明。最終的に1000人を超える見込みだ。

 宿泊客の不安を少しでも和らげようと、同温泉の宿泊施設では、臨時情報発表後は希望する宿泊客に同市内の防災マップを配って避難場所について説明し、水や保存食などの備蓄も増やしたという。同組合の河内広志副理事長は「予約は再び入り始めている。今後も防災の取り組みを進めたい」と話した。

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