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タイで37歳の女性首相誕生へ、タクシン氏の次女ペートンタン氏…一族から4人目

読売新聞 / 2024年8月16日 20時48分

 【バンコク=佐藤友紀】タイ下院は16日、解職されたタクシン元首相派政党「タイ貢献党」のセター・タウィシン首相の後任として、タクシン氏の次女で党首のペートンタン・シナワット氏(37)を新首相に選出した。セター氏解職を巡ってあらわになった連立与党内の貢献党と親軍派政党の亀裂は修復の兆しが見えず、引き続き厳しい政権運営が予想される。

 ペートンタン氏は下院議員(定数500、欠員7)の過半数を上回る319票を獲得した。貢献党のほか、連立を組む親軍派政党など計11党の支持を得た。近くワチラロンコン国王の承認を得て首相に就任する。

 タイの首相としては最年少の就任で、タクシン氏の妹のインラック元首相以来の女性の首相となる。タクシン氏一族から首相が選出されるのは4人目。

 セター氏は内閣改造人事に問題があったとして、14日に軍政下で選ばれた判事からなる憲法裁判所から解職命令を出された。

 元々タクシン氏と親軍派など保守層は長年対立していた。昨年の下院選で民主派最大勢力「前進党」が第1党に躍進したことを受け、同党政権発足を阻止するために貢献党と親軍派政党などが連立を組み、政権を発足させた。

 しかし、2006年の軍のクーデターで失脚し、海外に逃れたタクシン氏が連立政権発足を機に帰国すると、収監後数か月で仮釈放され、国内外の要人と面会を重ねたり、閣僚人事に関与したりして政治活動を活発化させた。不満を持った親軍派がタクシン氏をけん制するため、セター氏を解職に追いやったとされる。

 連立を組む親軍派にセター氏を解職され、貢献党内では親軍派への反感が強まった。しかし、連立与党の各党は7日に解党された前進党の後継政党との連立には否定的で、当面は現状の連立枠組みを維持する方向となった。貢献党は連立与党内では最大勢力で、同党が推薦するペートンタン氏を連立与党の統一候補とする点で各党が一致した。

 一部の親軍派政党の党首が首相選出投票を欠席するなど既に足並みはそろっていない。タイ政治に詳しい法政大の浅見靖仁教授は「連立与党内の亀裂が深まり、緊張感のある船出になる。親軍派は貢献党の政策に反対している部分も多く、政権運営は難しいものになるだろう」と指摘した。

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