東海大相模 直球打ち

５回東海大相模、才田が適時打を放つ＝大金史典撮影

　第１０６回全国高校野球大会第１０日の１６日、３回戦４試合が行われた。東海大相模（神奈川）は広陵（広島）に快勝して９年ぶりに、青森山田（青森）は零封リレーで石橋（栃木）を退け、２５年ぶりの８強入りを果たした。関東一（東東京）は明徳義塾（高知）との接戦を制して５年ぶりの準々決勝進出。滋賀学園（滋賀）は霞ヶ浦（茨城）に２桁安打を浴びせて破り、初のベスト８に進んだ。

東海大相模８―１広陵

　東海大相模は三回、中村の２点打で逆転に成功。五回に才田、中村の適時打でリードを広げ、その後も加点した。広陵は２番手で登板したエースの高尾が崩れ、打線も４安打と振るわなかった。

広陵エース攻略　分析実る

　１球で仕留める準備はできていた。五回、１点リードの東海大相模は一死三塁と好機をつかみ、広陵のエース高尾を救援のマウンドに引きずり出した。

　「速い球を打ちにいく」。１番才田の狙い球は直球。初球、高めに入ったところを迷いなく振り抜き、右前に適時打を放った。続く柴田、中村も早いカウントから積極的に振って出て連打で続き、この回３点を奪った。

　４季連続甲子園出場を果たした大会屈指の右腕に対し、東海大相模の分析係は夜遅くまで映像を見て研究していた。「右打者へのスライダーはほぼボール球。これに手を出すと、直球もよくなってくる」と結論づけ、右打者の才田は直球に狙いをしぼっていた。「詰まったけれど、真っすぐに張っていたおかげであそこまで飛んだ。自信を持って振れた」と感謝する。

　原監督は「立ち上がりでエンジンがかかるのが遅いと聞いていた。甘いボールを捉えようと指示したのが功を奏した」と積極的に振って出た理由を明かした。六回にも３連続二塁打を浴びて３失点した高尾は、「気持ちの準備はできていたが、立ち上がりは思うような制球ができず、キレもなかった」と振り返った。

　９年ぶりの８強入りは、周到な準備と実行力に支えられている。（豊嶋茉莉）

東海大相模・原監督「（先発の）藤田は三回までは不安定だったが、四回以降は良い感じになった」

４季連続の聖地　バッテリー感謝

　広陵の捕手で主将の只石は、乱調だった高尾について「万全ではなかったが、気持ちの入った投球をしてくれた」と感謝した。２人でバッテリーを組み、甲子園には４季連続出場を果たした。卒業後は大学に進学予定で、将来の夢はプロ入り。「甲子園は何度立っても緊張するし胸が躍る、最高の舞台だった。いつかプロで高尾と対戦したい」と語った。

広陵・中井監督「完敗です。二回のスクイズは、打者が投手（山口）だったから。あの失敗を投球に引きずったのかもしれない」