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早実と延長タイブレイク、3試合連続完投の大社・馬庭がサヨナラ打…「出雲大社の神様が見守ってくれた」

読売新聞 / 2024年8月17日 22時14分

 3回戦4試合が行われ、8強が出そろった。大社(島根)は早稲田実(西東京)に延長タイブレイクの末にサヨナラ勝ちし、大社中時代の1931年以来93年ぶりの準々決勝進出を果たした。

大社3―2早稲田実 大社は1点を追う九回、高橋翔のスクイズで追いつき、十一回にエース馬庭が適時打を放って試合を決めた。馬庭は3試合連続の完投。早稲田実は継投策が裏目に出て、8強入りを逃した。

 大社のエース馬庭が、両手を広げて天を仰いだ。タイブレイクの延長十一回無死満塁で、はじき返した打球が中堅へ転がる。「出雲大社の神様が見守ってくれた。まるで一瞬の出来事みたいに感じた」。劇的なサヨナラ打。空から降り注ぐ歓声を一身に浴びた。

 1、2回戦といずれも完投し、中1日で迎えた3回戦。先発マウンドを譲る気はなかった。

 試練の連続だった。先制したが、同点で迎えた七回。8番内囿に浴びた打球は、単打と思われた。次の瞬間、打球は中堅手・藤原のグラブの下をすり抜けた。ボールが転がる間に、打者が一気に生還。重い1点を勝ち越されたが、心は折れない。仲間を助けたい。「大丈夫だから」と声をかけ、続く八、九回をいずれも3人で片づけ、ガッツポーズでナインを鼓舞した。

 九回、敵失に乗じて追いついた。なおもサヨナラの好機で、早稲田実は左翼手を加えた5人で内野を守る「奇策」を出してきた。次打者の打球はシフトにはまり、追加点を奪えず延長にもつれ込んだ。

 疲れで足の震えが止まらなくなった。タイブレイクの十回、無死一、二塁から始まり、三塁手の園山と捕手の石原が好守で相手の送りバントを2度阻止した。「いい守備だ。あとは自分が投げきるだけ」。好守に背中を押され、必死で左腕を振り続けた。

 1回戦から7日間で計401球を投げ抜いた。「野球って最高だな」。藍色に染まった空に、いつしか月が浮かんでいた。(永井順子)

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