智弁学園 ミス逃さず 失策、暴投から4点
読売新聞 / 2024年8月18日 5時0分
第106回全国高校野球大会第11日の17日、3回戦4試合が行われ、8強が出そろった。大社(島根)は早稲田実(西東京)に延長タイブレイクの末にサヨナラ勝ちし、大社中時代の1931年以来93年ぶりの準々決勝進出を果たした。智弁学園(奈良)は小松大谷(石川)に逆転勝ちし、京都国際(京都)は西日本短大付(福岡)を退けて、ともに3年ぶりの8強。神村学園(鹿児島)は岡山学芸館(岡山)に快勝して昨夏に続きベスト8入りした。18日は休養日で、19日に準々決勝4試合が行われる予定。
智弁学園6―3小松大谷
智弁学園が逆転勝ち。三回、山崎の適時三塁打で同点とし、四回に敵失などで勝ち越した。先発左腕の田近は12三振を奪い、7回2失点。小松大谷は7四死球を得たが、11残塁と拙攻が響いた。
智弁学園は失策や暴投と相手のミスにつけ込んで重圧をかけ、得点を重ねた。
五回、先頭が敵失で出て、二塁へ進む。続く4番中道は2球目にバントを試みるもファウルに。「三塁手が前に出てこなかった」と3球目を三塁側へ転がして成功させた。5番近藤が中軸の役目を果たし、適時三塁打で走者を迎え入れた。
「エラーで取られた点は取り返すのが難しい」と話す小坂監督は、選手に「(相手のミスで)もらったチャンスはものにしろ」と言い続けてきた。選手が、それを実践してみせた。
一回には鋭い観察眼を生かして先制点をもぎ取った。四球を選んだ佐坂が犠打で二塁へ。佐坂は、打席に立った中道への3球目が、投球の軌道からワンバウンドすると見抜いた。すかさず三塁を陥れ(記録は暴投)、中道の適時打で生還した。
6点のうち4点はミスに乗じたもので、「重い失点だった」と小松大谷の西野監督。強豪校を破って勢いに乗る相手に、したたかさを見せつけた。(豊嶋茉莉)
智弁学園・小坂監督「終盤は相手の圧力がかかってきたが、守り切れてよかった。去年は3回戦で負けているので、(先発は)エースと決めていた」
小松大谷エース完璧救援
小松大谷の快進撃を支えたエース右腕・西川の出番は七回途中だった。疲労などを考慮されて救援での登板となったが、4点ビハインドの展開に、「流れを呼び込もう」と打者4人を完璧に抑えた。2回戦の大阪桐蔭(大阪)、石川大会決勝の星稜と強豪校を完封。「全国トップの相手と戦い、野球の楽しさを一番味わえた期間だった」と言いつつも、「勝ちたかった」と涙をこらえながら語った。
小松大谷・西野監督「序盤の失点が痛かった。(3試合の)戦いを見て、石川の子どもたちが元気をもらってくれればありがたい」
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