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インドネシアの新首都ヌサンタラで独立記念式典…ジャワ島と別の島、正式移転の時期は見通せず

読売新聞 / 2024年8月18日 16時23分

 【ヌサンタラ=作田総輝】インドネシア政府がカリマンタン島東部に建設中の新首都ヌサンタラで17日、独立記念日の式典が初めて開かれた。移転計画はジョコ・ウィドド大統領の目玉事業で、行政機能の移転が本格化した。9月にも国家公務員らの移住が始まる予定だ。開発などに必要な巨額の資金調達など課題が残されており、正式移転の時期は見通しが立っていない。

 式典は、国章に描かれている伝説上の鳥「ガルーダ」を模した大統領府「ガルーダ宮殿」前の広場で行われた。10月に退任するジョコ氏は伝統衣装を着た参加者の歌や踊りに笑顔を見せた。プラボウォ・スビアント次期大統領も出席した。ジョコ氏は、新首都で今月12日に開いた初閣議の前に「ヌサンタラへの投資は未来への投資だ」とアピールした。

 首都移転は2045年の完了が目標で、深刻な交通渋滞や洪水被害に悩まされる現在の首都ジャカルタへの一極集中の解消が狙い。カリマンタン島東部にあるヌサンタラは国全体のほぼ中央に位置する。森林を切り開いて建設されている。

 政府が見積もる総工費は466兆ルピア(約4兆4000億円)。その8割を民間や外国からの投資などでまかなうとしているが、資金調達は滞っている模様だ。移転工事は全体の15%程度しか完了しておらず、中国の投資家らが様子見をしているとされる。首都は大統領令が公布されると、ヌサンタラに移る。

 首都移転はジョコ氏の「レガシー(政治的遺産)」とされるが、給食費無償化などを重点政策に掲げる後任のプラボウォ氏がどの程度本気で取り組むのかは不透明との見方もある。インドネシア大学のレニ・スワルソ講師(政治学)は「プラボウォ氏が自らの政策を優先すれば新首都への予算は確実に削られる。次期政権の対応次第では、首都移転計画の見直しもあり得る」と指摘する。

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