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「最後まで馬庭を見ていたい、でもこれ以上投げさせたくない」「正直揺れました」大社・石飛文太監督インタビュー

読売新聞 / 2024年8月20日 5時0分

神村学園戦で、4回表が終わり選手を笑顔でねぎらう大社の石飛監督(右端)(19日)=吉野拓也撮影

 第106回全国高校野球大会で、島根の県立高・大社は93年ぶりのベスト8に、107年前の夏を越える3勝と「旋風」ともいうべき快進撃を見せた。19日の準々決勝では神村学園(鹿児島)に2-8で敗れたが、報徳学園(兵庫)、早稲田実(西東京)という優勝経験のある強豪を破った健闘ぶりは大きな注目を集めた。甲子園での戦いを終えた石飛文太監督が、大会を振り返った。主な内容は次の通り。

大社高校の歴史が動いた瞬間であるのは確か

 ――最後まで大声援を受けた。今感じていることは

 「4試合甲子園でさせていただいて、声援がもう日に日に、1試合ずつ増してきた。アルプスだけではなく、温かい内野スタンドからの声援もいただきました。選手にとってはすばらしい場所に一緒に来て、すばらしい時間を過ごせた」

 ――(神村学園戦の)九回の攻撃前には選手を集めた。何を伝えた

 「自分たちがやってきたこと、仲間を信じてしっかりとぶれずにやっていこうと(伝えた)。点数は取れませんでしたけど、八回、九回。よく繋いで、自分たちのやりたいことをぶれずにできたと思います」

 ――大社の今夏の躍進は高校野球の歴史に残る試合を生んだ。甲子園を振り返って

 「後世に残るとかはわかりませんが、ただ、大社高校の歴史が動いた瞬間であるのは確か。それを動かしてくれたのがエースの馬庭であり、全員の力。大社の野球に関して言えば、ここからがもう一回、今後100年に対してのスタートだと思っています」

 ――ベスト8までたどり着き、「間違っていなかった」「継続しよう」と感じた点は

 「やはり、目標に対してぶれずにやるところだと思います。目標に対して現在地がどこで、何が足りなくて、これからどうしていけばいいのか、日々何をしていけばいいのか。それを主体的に考えて行動すること。それがなければ、ベスト8というすばらしい結果はなかった」

3年生の投手陣が「(馬庭で)最後までいってください」

 ――昨年までのチームと、今年のチームとの違いは

 「間違いなく執念です。どういう状況であれ、この甲子園で初戦、2戦目、3戦目と勝ちきれたというのは、これも執念の現れだと思いますし、仲間との絆。これが全て」

――馬庭優太投手の投球への評価は

 「素晴らしいです。この状態で、この球が投げられることは素晴らしいです。失点がかさんで、本心としては最後まで馬庭をマウンドで見ていたい。でも、もう一つの本心としてはこれ以上投げさせたくない。その狭間で、正直揺れました。ですけども、3年生に聞いたら『最後までいってください』と言うので。3年生の同じ投手陣が言うのだったら、それはもうみんなの意思だと思いましたので、最後まで投げて終わりました」

 ――馬庭投手がチームに与えていたもの

 「勇気とか、そういう言葉だけではない。夢、希望とかですけどね。32年ぶりの(甲子園)出場とか、63年ぶりの勝利とか、107年ぶりの2勝とか、93年ぶりのベスト8とか、その扉をこじ開けた。馬庭だけじゃないですけれど、その中心にいたのは馬庭です」

島根のチームでも、地元の子でもできるんだ

 ――第1回から地方大会に出続けている歴史がある

 「すばらしいですね。ただ、この子らがここまでの景色を見せてくれたので、その先何が足りないか、何を積み上げていけば勝てるのか。無限大という言葉が好きなので言いますけど、野望とか、そういうのは無限大なんだと。もうこれから上はベスト4と優勝しかありません。島根のチームでも、地元の子でも、できるんだという手応えがあったので、足りない部分を明日から詰めていきたいと思います」

 ――県民の声について

 「(島根では)朝のあいさつが『おはよう』じゃなくて『昨日勝ったね、また勝ったね』があいさつになってるんですよ。明日は『負けたね』ってなるんだと思うけど。みんなの心が動いた。心が一致したというのは本当にすごいことだなと思う。野球の力ってすごいな、野球っていいな、と」

 ――「忘れられない夏にする」と口にすることで現実にした

 「馬庭の好きな言葉は有言実行。まさしく、ベスト8以上が目標でした。それは有限実行として叶えたということですので、やっぱり言葉って大事なんだなと思いました。言霊って言うんですかね」

「やっぱり、出雲大社のご縁」

 ――「大社旋風」を振り返って

 「大社旋風と言われることがうれしくて、毎日が充実した甲子園の期間でした。日に日に応援者が増えて、3戦目もすばらしい試合をさせていただいた。これだけ多くの人に応援していただいていたのだと改めて思いましたし、選手、生徒が本気で一つのことに信念を持って取り組めば、人の心を動かせるんだなというふうに思いました」

 ――甲子園100周年の年に躍進した

 「やっぱり、出雲大社のご縁があるのかなと感じております」

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