青森山田の関浩一郎「歴史を変えたい」気迫の内角攻めで８強の壁を破る…滋賀学園監督「力勝負に完敗」

２番手で登板し無失点と好投した青森山田の関（１９日）＝大金史典撮影

　第１０６回全国高校野球大会は１９日、準々決勝４試合が行われた。青森山田（青森）が滋賀学園（滋賀）との投手戦を制して初のベスト４に進んだ。関東一（東東京）は東海大相模（神奈川）を振り切り９年ぶりの準決勝進出。京都国際（京都）は先発西村が智弁学園（奈良）を完封し３年ぶり、神村学園（鹿児島）は粘る大社（島根）を終盤に突き放して２年連続の４強入りを決めた。準決勝は休養日を挟み、２１日に行われる。

青森山田１―０滋賀学園

　青森山田は七回に吉川の適時打で挙げた１点を守り切った。下山、関の継投で零封した。３試合連続２桁安打を記録していた滋賀学園は相手を上回る９安打を放つも、好機をものにできなかった。

　最後の打者を直球で遊ゴロに打ち取ると、青森山田のエース関は拳を握り、ほえた。「歴史を変えたい、その思いだけだった」。気迫の投球で零封リレーを完成させ、８強の壁を破った。

　三回、「打線の圧を感じた。痛手を負う前に」と兜森監督はその裏、好投していた先発下山に代打を送った。引き継いだ関は四回こそ３人で片づけたが、以降は毎回走者を背負った。だが、強気に内角を攻めて得点を許さない。七回二死二塁では、この日３打席連続安打の多胡に内角球を効果的に使い、最後は直球で一邪飛に仕留めた。無安打に終わった４番岡田は「ピンチでギアを上げられた」とうなだれた。

　準々決勝で敗退した今春の選抜では、自信を持って投じた球をことごとく捉えられた。「どれだけ力のある球でもコースが少しでも甘いと通用しない」。ブルペンでは打者を立たせ、時には当ててしまうほど厳しく攻め、内角への制球を磨いてきた。捕手の橋場は「春よりも投球の幅が広がった」と成長にうなずく。

　３回戦は登板せず、中５日空いた関が救援に回ったのは残り２試合を見据えて負担を減らすためだ。「下山のお陰で球数も少なく抑えられた。まだまだ歴史を塗り替えてみせます」。エースの快投の先に、県勢初の頂点が見えてくる。（後藤静華）

青森山田・兜森監督「関は集中力ある投球だった。（４安打の）打撃は大反省ですが、しっかり、こういう１―０の試合をできるというのは大満足ですね」

滋賀学園　応えた初先発

　滋賀学園の２年生右腕・土田が好投した。エース脇本の疲労を考慮して託された今大会初の先発マウンド。ストライク先行の投球で、六回はいずれも縦に落ちるスライダーで３者連続三振に仕留めた。七回、先頭にこの日２安打目となる内野安打を許したところで交代。「予想以上に抑えられて自信になったけど、負けたのは悔しい。絶対的エースになって、甲子園に戻ってきたい」と誓った。

滋賀学園・山口監督「先発の土田は緩急を使い、満点の投球をしてくれた。好機で相手の２投手との力勝負に完敗した」