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8月21日は「献血の日」、老いも若きも人助け

読売新聞 / 2024年8月21日 17時30分

献血を呼びかける「けんけつちゃん」(中央)

 8月21日は「献血の日」です。60年前の1964年8月21日に政府が輸血用血液を献血で確保することを閣議決定したことに由来します。読売新聞朝刊の投書欄「気流」には、献血に関する投書が数多く寄せられてきました。記者の心に刺さった投書を紹介する「ササる投書」、今回のテーマは「献血」です。(※投稿者の年齢や職業などは掲載当時。紙面では実名で掲載)

定年後献血デビュー

 70歳の誕生日の前日に最後の献血を行いました。定年後、何をしようかと思案していた時、息子に献血を勧められました。それまでは自宅と会社の往復しかしていなかった自分にも、社会貢献ができるかと思い、始めました。

 私の場合は成分献血でした。約1か月ごとに献血ルームに通い、通算66回の献血となりました。今後、献血に行けないとなると寂しさを感じます。

 献血ルームのスタッフの皆さんはとても親切で、感謝しています。献血ルームは明るく清潔で、飲み物もあり、ゆったりとしたひとときが過ごせます。献血後には血液検査のデータが送付され、自分の健康管理の指針にもなります。皆さんも献血デビューをなさってみませんか。(70歳・無職=東京都、2018年8月8日掲載)

献血できない人たちもいる

 20歳の時に初めて献血して以来、「趣味は献血」と言うまでになりました。

 でも、今は献血したくてもできません。輸血を受けた経験のある人は献血ができないという規定が、数年前にできたからです。私は、生後4か月の時に輸血していました。

 過去を隠してでも献血したいのが本音ですが、「輸血経験者に肝炎にかかっている人が多いため」と言われれば、安全を考えて引き下がるほかありません。

 先日、献血車の前を通り過ぎようとした時、献血の勧誘を受けました。事情を説明しましたが、「大丈夫よ」と強引に車の中に連れて行かれました。

 でも、やはり献血はできず、車の中にいた係の人に小言を言われ、嫌な思いをしました。車の前で勧誘をしていた人は献血の規定を知らなかっただけなのです。

 世の中には、私のように献血したくても出来ない人が少なくないのです。献血を呼び掛ける人は、ある程度の専門知識を持ってほしいと思います。(36歳・看護師=東京都、2000年4月4日掲載)

献血 優しさの連鎖

 月に数回、仙台市内の献血会場で働いている。先日、市内でネパール料理店を営む男性が呼び掛け、ネパール人約60人が献血に来た。

 彼らによると訪日後、勉学や仕事などで、日本人が温かく受け入れてくれたそうだ。また、2015年に起きたネパールでの大地震での日本による救援活動にも感謝しているという。それらへの恩返しとして献血をすることにしたらしい。

 コロナ禍などで献血者が減る中、彼らの優しさに心を打たれた。(70歳・医師=宮城県、2021年10月20日掲載)

担当記者から

 手術時に多くの輸血を受けた経験があるので、献血に対しては感謝の気持ちを持っています。安全な血液を確保することは本当に大切なことです。少子高齢化で健康な若者の献血が減り、高齢者が手術で使う血液の必要性は高まるため、将来的な血液不足の不安もあります。35年度には献血者46万人分の血液が不足するという試算もあるそうです。私はもう献血をすることができませんが、何らかの形で恩返しを、と考えています。(田渕)

「ササる投書」を随時掲載します。次回もお楽しみに!

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