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はやぶさ2が向かう小惑星は細長い「ピーナツ形」、アマチュア天文家の観測データから判明

読売新聞 / 2024年8月20日 20時1分

ピーナツのような形の小惑星「2001CC21」に近づくはやぶさ2の想像図(有松特定助教、JAXA提供)

 宇宙空間を航行中の小惑星探査機「はやぶさ2」が2026年7月に探査予定の小惑星「2001CC21」の形状を推定することに成功したと、京都大などのチームが発表した。アマチュア天文家の観測データを活用した結果、ピーナツのような細長い形と判明。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が進めている探査計画に生かされるという。論文が国際科学誌に掲載された。

 はやぶさ2は20年12月に小惑星「リュウグウ」の試料が入ったカプセルを地球に届けた後も、最終目標の小惑星に向けて航行を続けている。2001CC21にはすれ違いざまのわずかな時間に表面の様子などを探査する計画を進めているが、事前に小惑星の形状を把握しておく必要があった。

 小惑星を詳しく調べようと、アマチュア天文家ら約30人が23年3月、複数地点からの観測に挑戦。うち滋賀県在住の井田 三良 みよしさん(71)が、恒星からの光がこの小惑星で遮られる「 掩蔽 えんぺい」と呼ばれる現象を広島県内の観測地点で捉えた。

 京大の有松 こう特定助教らのチームは、このデータから小惑星の形状を高精度に推定できる手法を開発し、長径約840メートル、短径約310メートルの 楕円 だえん形をしていることがわかった。

 掩蔽現象の観測に長年取り組んでいる井田さんは「多くの仲間が協力して観測網を張ったことで成果が出た。プロの研究者の役に立ててうれしい」と喜んだ。

渡部潤一・国立天文台上席教授(惑星科学)の話「1地点のデータだけで形状を推定できたのは驚きで、精度の良い観測と独自に編み出した解析手法による貴重な成果だ。今後世界中で応用が期待される」

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