ロシア、ウクライナ東部の集落「ニューヨーク」制圧を主張…鉄道沿いの戦略的に重要な物流拠点

　ロイター通信などによると、ロシア国防省は２０日、露軍がウクライナ東部ドネツク州の集落「ニューヨーク」を制圧したと主張した。ニューヨークは主要都市スラビャンスクへ続く鉄道沿いにあり、露軍は戦略的に重要な物流拠点と位置づけている。

　露メディアはニューヨークの制圧により、ウクライナ軍がドネツク州西部ポクロウシクへ物資を供給する道路を遮断し、ポクロウシク東方のトレツクへの攻撃に有利になると分析している。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は２０日、ポクロウシクやトレツクの現況は厳しいとの認識を示した。

　一方、ウクライナ軍は露西部クルスク州への越境攻撃を続けている。ウクライナの英字ニュースサイト「キーウ・インディペンデント」によると、オレクサンドル・シルスキー総司令官は２０日、越境攻撃で１２６３平方キロ・メートル、９３集落を制圧したと明らかにした。

　ＡＰ通信は、ウクライナ軍がクルスク州西部でセイム川にかかる三つの橋を破壊・損傷させたと報じた。越境攻撃の開始以降、住民１２万２０００人以上が避難したという。