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教員の「残業代」3倍に増額へ、基本給の13%に引き上げの方針…実現なら50年ぶり改定

読売新聞 / 2024年8月21日 22時0分

文部科学省

担任手当も拡充

 文部科学省がまとめた公立学校教員の処遇改善案の概要が21日、判明した。残業代の代わりに一律支給されている「教職調整額」を、基本給の4%から13%に引き上げる方針で、実現すれば約50年ぶりの改定となる。教員のなり手不足が深刻化していることを踏まえ、文科省は処遇改善を図り、人材の確保につなげたい考えだ。

 処遇改善案では、教員給与特別措置法(給特法)に基づく教職調整額を、現行の3倍以上の13%に引き上げる。文科省は来年度予算の概算要求に関連経費を盛り込み、来年の通常国会に給特法の改正案を提出する方針だ。自治体の条例改正を経て、2026年からの調整額の増額を目指す。

 このほか処遇改善案では、校長ら管理職を補佐する主幹教諭の下に、若手教員を支援するポストを新設する。新ポストは基本給に月額6000円程度を上乗せする。

 負担の大きい職務に応じて手当も拡充し、学級担任は月額3000円、校長や教頭などの管理職も月額5000円~1万円増額する。

 また、教員の負担軽減に向け、教科ごとに専門の教員が教える「教科担任制」を現行の小学校5、6年から3、4年に拡大する。これに伴い、1750人を増員する計画だ。

 教員の処遇を巡っては、1971年制定の給特法で基本給の4%を教職調整額として支給することが定められていた。それ以降4%は変わっておらず、教員の長時間勤務が問題となるなか、実態に合っていないとの指摘が出ていた。中央教育審議会の特別部会は7月下旬、処遇改善を図るため、10%以上とする答申案をまとめていた。

 文科省が処遇改善を加速させるのは、教員の採用倍率が低迷しているためだ。00年度に12・5倍だった公立小学校の採用倍率は、23年度に2・3倍まで落ち込み、過去最低となった。各地で教員を補充できない「教員不足」が起きている。

 その背景には、教員の長時間労働があるとされる。文科省の22年度調査では、国が上限とする月45時間を超えて残業していた教員は小学校で65%、中学校では77%だった。

 文科省は処遇改善策と併せ、将来の残業時間を月20時間程度に減らすことを目標に掲げている。

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