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京都国際 剛腕狙い打ち…継投直後逆転 春の雪辱

読売新聞 / 2024年8月22日 5時0分

 第106回全国高校野球大会は21日、準々決勝4試合が行われた。準決勝2試合が行われた。第1試合は、関東一(東東京)が1点を追う七回に試合をひっくり返し、神村学園(鹿児島)に競り勝った。第2試合は、京都国際(京都)が青森山田(青森)の継投のタイミングを捉えて逆転勝ち。関東一は夏は初めて、京都国際は春夏通じて初の決勝となる。22日は休養日で、決勝は23日午前10時開始の予定。

京都国際3―2青森山田

 京都国際が逆転勝ち。六回、長谷川の2点打で同点とし、投ゴロの間に勝ち越した。2番手の西村は5回無失点。青森山田は一回に2点を先取したが、二回以降は3安打と打線がつながらなかった。

「素振りでも関君想像」

 五回終了後のクーリングタイムで2点をリードされていた京都国際のベンチは沸き立っていた。直前の青森山田の攻撃で先発下山に代打が送られ、エースの関が投球練習を始めたからだ。「次から関だ。やり返す」

 今春の選抜1回戦。青森山田と対戦し、関から3点を挙げたものの、九回にサヨナラ負けを喫していた。リベンジに燃える京都国際の選手たちは最速150キロ超の右投手に備え、「狙い球を絞って強く打ちにいこう」と確認した。

 六回、一死から2番三谷が直球をはじき返し、関の足元を鋭く抜く中前打で出塁。3番沢田もゴロで三遊間を破る。続く藤本が死球で満塁に。「振らせようとしてくるはず。低めに食らいつく」。左打席に入った5番長谷川は外角低めの変化球を捉える。打球は右前で弾み、走者2人が生還。さらに、6番服部が放った強い打球を、関がつかみ損ね(記録は投ゴロ)、藤本が勝ち越しのホームを踏んだ。

 選抜後から磨きをかけてきた「低く強い」打球を飛ばす打撃が結実した。「素振りでも関君を想像して振ってきた」と藤本。前日の練習では打撃マシンの球を速く設定し、打者も数歩前に出て目を慣らした。以前よりも「つなぐ意識」が高まり、選抜では3得点するのに8イニングを要したが、この日は13球で奪った。

 藤本は「僕たちを変えてくれるきっかけが青森山田さんとの(選抜の)試合だった」と振り返る。悔しい1敗を糧に走攻守でレベルアップしたチームは自信を深めて、初の大舞台に立つ。(豊嶋茉莉)

救援も無失点

 京都国際の2年生左腕・西村が好救援。五回からマウンドへ上がり、先頭に安打を浴びたものの、後続を併殺打に仕留め、「落ち着いた」。直後に味方が逆転すると、六回以降は得意のチェンジアップを使って1安打に抑え込んだ。2回戦と準々決勝の完封に続き、この日も得点を許さず、23イニング無失点と抜群の安定感を誇る。「決勝も相手を抑える強い気持ちで投げきる」と気合を込めた。

京都国際・小牧監督「春の悔しさを忘れたらアカンよ、流れが来るまで慌てたら駄目と話していた。六回のワンチャンスをものにした選手の努力はすごい」

青森山田 中軸つないだ…2回以降空回り

 得点できたのは一回だけ。その2点に青森山田が求めてきた形が詰まっていた。

 2四球と犠打で一死一、二塁とし、4番の原田が左打席へ。「狙っていた」というスライダーを振り抜き、右中間への適時二塁打とし、先制する。続く吉川は「最低限の仕事をしよう」と中堅へ犠飛を放ち、2点目をもぎ取った。準々決勝までの3試合で3打点だった中軸がチームを勢いづけ、主砲は「青森山田らしい攻撃ができた」と振り返った。

 14残塁の拙攻で敗れた今春の選抜準々決勝からチームの意識は変わった。長打力を追求し、打ってつなぐ野球を目指した。今大会は中軸が不振に陥ったが、打線は奮起して3試合で15点を挙げた。だが、この日は「空回りして攻めきれなかった」と兜森監督が話したように二回以降は3安打で無得点に終わった。

 「春に勝った相手を上回る成長ができていなかった。その差です」と原田。それでも、胸を張っていい4強だ。(後藤静華)

青森山田・兜森監督「(今春の選抜で)日本一を取れなかったリベンジに燃えていたんですけど、出塁が少ない中で好機をものにできなかった」

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