８月不調の巨人・岡本、全体練習前にベンチ裏で特訓…成果見えはじめ「直近４戦で３発」

　巨人４－１広島（セ・リーグ＝２１日）――巨人が逆転勝ちで連敗を２で止めた。先行された直後の七回に浅野の適時二塁打で追いつき、八回に岡本和の３ランで勝ち越した。広島は打線がつながりを欠いた。

　首位攻防の第２ラウンドは、序盤から好プレーの連続で息詰まる接戦が続いた。七回に広島が１点を先取すれば、すぐに巨人が１点を返して食らいつく。迎えた同点の八回、巨人の攻撃だった。無死二、三塁で、４番の岡本和に打席が回ってきた。

　マウンドのハーンには、前日の対戦で全５球の速球勝負を挑まれ、捕邪飛に倒れていた。「イメージはあった」。初球、内角に来た１５３キロを振り抜くと、一塁へゆっくり歩き出した。打った瞬間、それとわかる打球が左翼席中段へ。７年連続２０号となる特大の決勝３ランだった。

　「それまで得点圏で打てずに悔しかった」という。四回は無死一、二塁から中飛、六回は二死二塁で三ゴロ。それだけではない。正念場の８月に好機でヒットが出なかった。「主軸が得点圏で打点をつけられないのは、チームに貢献できてないのと一緒」と責任を感じていた。

　最近、本拠地での試合前にグラウンドでティー打撃をしていない。全体練習が始まる前から、ベンチ裏の室内練習場で一人黙々と打っているからだ。練習に付き添うスタッフは「外でティーをする必要がないほど振り込んでいる」と明かす。２戦連発、直近の４戦で３発目。特訓の成果が見えてきた。

　初戦の前日は大敗を喫し、「ホームでできる直接対決は今回で終わりなんで、本当に大事。形とかそういうのは関係なく、一試合一試合臨んでいる」と表情を引き締めた岡本和。夏場の勝負所で主砲が復調したのなら、これほど心強いことはない。（福井浩介）