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神村学園、同点の本塁突入が関東一のバックホームにわずか届かず…初の決勝進出逃す

読売新聞 / 2024年8月22日 7時23分

9回に岩下吏玖選手が本塁を狙うも惜しくもタッチアウト

 第106回全国高校野球選手権大会第13日の21日、神村学園(鹿児島)は準決勝で、関東一(東東京)に1―2で惜敗し、夏の大会では初となる決勝進出を逃した。打撃好調の上川床勇希選手の適時打で先手を取り、エースの今村拓未投手が、六回まで相手打線を無安打に抑える好投を見せた。九回、同点の走者が本塁突入も、中堅手の好返球で生還できなかったが、粘りの野球に拍手が鳴りやまなかった。

上川床勇希が先制打、最後まで胸張る

 「しっかりスイングするだけ」。四回二死二塁の好機で回ってきた打席で、上川床選手は3球目の変化球を強振した。バットの先に当たったが振り切り、「抜けた」と感じた打球は先制の中前適時打となり、チームに流れを引き寄せた。

 昨夏の甲子園にも出場したメンバーの一人だが、今夏の鹿児島大会では打率2割を下回った。中軸としての役割を果たすため、宿舎で試合の映像を見直し、打撃の際、右脚の付け根を上げて速い球を見やすくし、「いい感じにはまった」。

 主砲の正林輝大選手が2回戦まで無安打と不調の中、「自分のことだけ考えろ。後ろには俺がいるから」と仲間を鼓舞してきた。

 この日の準決勝では、1点を追う九回一死一塁から右前打を放ち、逆転の走者として出塁し、勝利への望みをつないだ。二死から中前打で生還を試みた二塁走者が本塁でタッチアウトになった瞬間、二塁上でしゃがみこんだ。

 今大会は打率5割で7打点を挙げ、打線を引っ張った。試合後、「走者が出た時に打てただけで、みんながつないだ結果」と控えめに振り返った。「準決勝はあと一歩で本塁に届かず、悔しくて力が抜けた」とタオルで涙を拭ったが、「4強入りも当たり前には達成できない」と胸を張った。「大観衆の中で最高の仲間とプレーできた。この夏が一番楽しかった」と、最後は充実した表情を見せた。(徳永翔太)

主砲・正林輝大、気迫の生還 

 四回一死で4球目を中前に運んで出塁した4番・正林輝大選手。その後に先制のホームを踏んだ。「何としても自分が塁に出て流れを作る」と心に誓って放った一本だった。

 春には本塁打を放つ活躍を見せたが、今大会では準々決勝までの4試合で2安打だっただけに、チームに貢献したいという気持ちが強かった。

 だが、七回には打球を後逸。「早く投げたいと焦ってしまった」。同点を許してしまい、逆転された。「相手に流れを渡してしまった」。悔しげに目を赤くした。

川下晃汰主将「勝ちきれず悔しいが、九回に粘り強さを出し、最後の意地をみせられた。チームは、苦しい状況こそ笑顔で戦うことができた」

生徒や職員ら学校から声援 

 神村学園(いちき串木野市別府)の文化ホールでは、生徒や職員ら約270人がスクリーンに映し出される選手たちに声援を送った。

 スクールカラーの赤いシャツを着た生徒たちは、リズムに合わせてメガホンを打ち鳴らして激闘を見守った。選手がアウトをとったり、安打を放ったりするたびに歓声を上げた。

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