副大統領候補・ウォルズ氏、民主党大会で庶民の味方をアピール…「中絶」権利保護で共和党に対抗

２１日、米シカゴでの民主党大会で、登壇したウォルズ氏＝ロイター

　【シカゴ＝向井ゆう子】米イリノイ州シカゴで開かれている民主党大会は３日目の２１日、党の副大統領候補に指名されたミネソタ州のティム・ウォルズ知事（６０）が受諾演説を行った。党大統領候補のカマラ・ハリス副大統領（５９）の伴走者として、中間層重視の政策を訴え、共和党のドナルド・トランプ前大統領（７８）に対抗する姿勢を鮮明にした。

　ウォルズ氏は演説で、「選挙のテーマは『自由』だ。民主党は生活をより良くする自由について語る」と述べ、庶民の味方だとアピール。共和党が規制強化を主張する人工妊娠中絶の権利保護などを訴えた。ウォルズ氏が「戦うならば」と呼びかけると、満場の聴衆は「勝つぞ」と応じた。

　ただ、全米での知名度が課題で、労働者家庭の出身で勤勉を信条とする点や、高校のアメリカンフットボールのコーチを務めた経歴を紹介し、浸透を図った。

　ウォルズ氏は中西部ネブラスカ州出身。陸軍州兵や高校教師などを経て、２００７年にミネソタ州選出の下院議員になり、６期１２年務めた。１９年から州知事で現在２期目。学校給食の無償化や中間層を対象とした減税、クリーンエネルギーの普及など左派色の濃い政策を推進した。

　この日は、ビル・クリントン元大統領（７８）も演説し、「米国人が夢を追えるよう力を尽くすだろう」などとハリス、ウォルズ両氏への支持を訴えた。ハリス氏は大会最終日の２２日、指名受諾演説に臨む。