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新生AKBは43人、アイドル戦国時代の新曲は「革命宣言」…認知度向上へ「挨拶まわり」も

読売新聞 / 2024年8月25日 15時5分

 新生AKB48が動き出した。“グループの顔”だった柏木由紀さんの卒業後、初のシングル「恋 詰んじゃった」(ユニバーサル)を7月17日にリリースしたのだ。20周年を来年に控えたメンバーたちは今、どんな思いで活動しているのだろう。(編集委員・祐成秀樹)

「革命宣言、全員で勝つ」

 「ここまで来たら 愛を貫けよ 迷ってる時間 無いんだから」。作詞は総合プロデューサーの秋元康さん、作曲は井上ヨシマサさん。2009年の「RIVER」というグループ初のオリコン週間チャート1位を獲得した記念碑的な曲を作ったコンビだ。

 切迫した心情を吐露する歌詞の反面、衣装はりりしい制服風で曲調は疾走感たっぷり。「新生AKB48の革命宣言、チーム全員で勝つ」というテーマを表すミュージックビデオでは、18人が椅子や机を積んだバリケード内などで気迫をみなぎらせて踊る。

 センターには17期生の佐藤 綺星 (あいり)さん(20)が起用された。「前に前に進む感じ。勢いを感じていただけるのでは。前田敦子さん、大島優子さんのようにセンターの印象が、AKB48や楽曲の印象になる。プレッシャーもたくさんありますが、先輩方に支えていただいています」

最多時のメンバーは188人、今は「全体がひとつに」

 新総監督の倉野尾成美さん(23)は感慨深そうだ。「新しいメンバーがたくさん入ってくれた。時代が変わる感覚が曲に出ています」

 倉野尾さんは14年に加入。その年のAKB48は、大島さんの卒業コンサートを東京の味の素スタジアムで行うなどムーブメントを巻き起こし、期間限定の「バイトAKB」メンバーを含めて188人と結成以来最多になった。その後、メンバーが卒業する一方、コロナ禍でオーディションが出来ない時期もあったが、21年から再開。現在は43人で活動している。

切磋琢磨 ( せっさたくま ) (せっさたくま)し合っていた「A」や「K」などのチームは休止している。「最初は戸惑いましたが、メンバー間の区切りがなくなった。以前は同じチームでないと半年以上一緒に活動しないこともあった。今は全体がひとつになって動いています」と倉野尾さん。

自分の時代の代表曲を

 グループも若返った。半数以上は22年以降に入った17~19期生。新曲を歌うメンバーを決める選抜総選挙を経験していない。「順位が出て比べられるので隣の子もライバルだという意識が高まった。今は競い合う意識が少し薄いのが気になっています。私は負けたくないという気持ちでやってきたので」と倉野尾さん。

 だが「アイドル戦国時代」にあえてAKB48を選んだだけにハートは熱い。「恵まれているという自覚はある。ただ、私は入った時から先輩の皆さんをライバル視して前に行きたいと思っていました」と佐藤さん。見守る倉野尾さんは思いを新たに。「私の目標は自分たちの時代の代表曲を持つこと。そのために一人でも多くの人の心に響くパフォーマンスを届けたい」

抜群の知名度、課題はメンバーの認知

 「成長の踊り場にいてジャンプの準備をしている感じでしょうか」。AKB48の現在地を、運営会社DHの内村和樹社長(48)は分析する。

 最大の武器は「知名度」だという。「おじいちゃんやおばあちゃんもご存じで、アイドル衣装を着ているグループが全て『AKB48に見える』とおっしゃる方もいらっしゃるようです」

 最大の課題は「認知度」だ。「芸能界で活躍中のOGの方々が在籍していた時代と違い、今はグループに誰がいて何をしているか知られていない。色んな手段を使って伝えていきたい」

 その具体例として挙げるのは、17~19期生が全国5都市を回る「挨拶まわり」ツアー、9月から始まる全国出張公演、テレビ東京系で放送中のドラマ「星屑テレパス」だ。「色んな方に没入していただける状況を作りたい。神セブン時代のブレイクを一過性のものに終わらせずAKB48を新しいエンタメの形として定着させることが目標です」と内村社長。

 今、東京・秋葉原のAKB48劇場は、懐かしさと新鮮さが混ざったいい雰囲気だ。9月からの改修工事前の特別企画にOGが登場する一方、若手が活躍している。16日は、13期の岩立沙穂さんと村山 彩希 (ゆいり)さん、前総監督の向井地 美音 (みおん)さんという重鎮らと、17期の平田 侑希 (ゆき)さん、布袋 百椛 (もか)さん、18期の八木 愛月 (あづき)さんが息の合ったパフォーマンスを見せた。トークでは前座の19期の伊藤百花さんに出演した音楽番組について語らせたり、OGゲストの加藤玲奈さんが八木さんを「顔が小さくてかわいい」と絶賛したり。ライブの随所で後輩の魅力を引きだそうという思いが感じられた。

 柏木さん卒業後、29歳の岩立さんが最年長になった。「見られる背中が本当にありません。自分たちが引っ張っていくしかない。先輩たちに教えていただいたことを後輩と一緒に活動する中で伝えたいです」

 来月はマレーシアにKLP48が誕生する。原点のAKB48がより元気になれば、アジアの妹たちもより勢いづくだろう。

OGが語るAKB48の魅力

高橋みなみさん(33)「これ以上ないもの学べた」

 AKB48は人生そのもの。10代の多感な時期に家族より長い時間を過ごした。大人との関わり方も仕事の仕方も、仲間とかファンとか、これ以上ないものを学べた。今、たくさんアイドルグループがある中でAKB48に入りたいと思う子がいるのはすごいし、その子たちにはAKB48のマインドがある。これからも一生懸命AKB48を愛してバトンをつないでほしい。

指原莉乃さん(31)「どの時でも楽しく、全盛期」

 「AKB48の全盛期はいつ?」という話をすると、「ヘビーローテーション」がヒットした時と言う人も指原がいた時と言う人もいる。どの時もファンによっては全盛期。メンバーの入れ替えがあるので、その日その時を一番楽しいと言えるのがAKB48の魅力だと思う。今の若い子たちもつらいことがいっぱいあると思いますが、ここでしか磨き上げられない精神がある。頑張ってほしいです。

横山由依さん(31)「自分で限界を決めない」

 一人で見られないものが見られる場所。みんなのパワーが集結した時にすごく強くなる。限界を決めていない点もいいと思います。また、専用劇場があるという安心感もある。後輩たちは、難しいと思いますが楽しんでほしい。一個一個がAKB48にいないとできない特別な経験なので。悩んだ時は相談に乗ります。(年齢、肩書は7月23日現在)

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