韓国統一相、北朝鮮住民の「外部情報への欲求が高まっている」…韓国文化や情報を流通させる方針強調

２２日、ソウルで記者会見する韓国の金暎浩統一相＝小池和樹撮影

　【ソウル＝小池和樹】韓国の 金暎浩 （キムヨンホ）統一相は２２日、北朝鮮住民の間で「外部情報への欲求が非常に高まっている。応じる努力が必要だ」と述べ、韓国文化や情報などを流通させていく方針を強調した。ソウル外国人記者クラブで開いた記者会見で表明した。

尹錫悦 （ ユンソンニョル ） 大統領は１５日、北朝鮮住民が外部情報に接する「情報アクセス権」の拡大を目指すと演説しており、金氏も「非常に重要だ」と指摘した。

　韓国政府が２月に公表した脱北者に関する報告書によると、韓国ドラマなど国外の映像を見た経験があると回答した最近の脱北者は全体の８割以上を占めたことから、金氏は「民間団体のコンテンツ制作など多様な活動支援を続ける」と述べた。韓国の脱北者団体による体制批判ビラの散布などが念頭にあるとみられる。

　金氏は日本との連携を強化する姿勢も改めて示した。脱北者への調査では４月から、日本人拉致被害者の目撃情報について質問しており、情報が得られた場合、日本政府と情報共有すると説明した。