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デブリ取り出し直前で延期、東電側「初歩的なミス」…福島第一原発2号機

読売新聞 / 2024年8月22日 20時19分

デブリ取り出しの準備作業が中断された福島第一原発2号機(福島県大熊町で、読売ヘリから)=帖地洸平撮影

 東京電力は22日、福島第一原子力発電所2号機で溶け落ちた核燃料(デブリ)の試験的な取り出しに着手する予定だったが、直前で延期した。準備作業の段階で取り出し装置の設置手順にミスが判明した。取り出しは2011年3月の原発事故後初めてで、廃炉の最難関とされる。東電はミスの原因と対策を公表し、再開時期を決める。

 同原発1~3号機では原発事故で核燃料が溶け落ち、放射線量が極めて高いデブリが計約880トン発生したと推計されている。

 今回の試験的取り出しでは、釣りざお式の装置を原子炉格納容器にある開口部に横方向から差し込み、先端の爪で最大3グラムのデブリの採取を試みる。政府と東電は採取したわずかなデブリの成分や硬さなどを分析。今後の本格的な取り出し作業に役立てる計画だ。

 この日は午前7時24分に準備作業を開始した。しかし作業員が装置を押し込むためのパイプ(長さ1・5メートル)5本を誤った順番で接続していることに気づき、同8時53分、開口部に差し込む前で作業を中断した。

 東電福島第一廃炉推進カンパニーの高原憲一・リスクコミュニケーターは22日の定例記者会見で「広く社会に心配をおかけし、おわび申し上げる。初歩的なミスだ」と陳謝。その上で「要因を深掘りし、改めて作業の再開時期をお知らせしたい」と述べた。

 11年12月に始まった廃炉工程は3段階に分かれており、デブリの試験的取り出しは最後の第3期に入る重要な局面にあたる。政府と東電は41~51年の廃炉完了を掲げている。高原氏は「目標は変わらない。(今回のミスによる)影響はないと考えている」との見解を示した。東電によると、現場は放射線量が高く、1日の作業は2時間程度に限られる。この日は1班6人の8班体制で交代で作業にあたっていた。

 福島県危機管理部の伊藤繁・政策監は22日夕、東電側と面会し、「一つ間違えるといろいろな影響が及びかねないし、県民は大きな不安を感じる。再発防止を徹底していただきたい」と注文を付けた。

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