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本塁打は1974年の金属バット導入以来、最低の7本、2部制効果と課題…夏の甲子園大会総評 

読売新聞 / 2024年8月24日 5時0分

 0―0で延長タイブレイクに入った決勝戦が象徴するように、低反発バット導入による投手優位が顕著に表れた大会だった。完封・零封は昨夏の7試合から17試合に増え、1点差の接戦も7から19に、1―0の試合も0から5へ増えた。

 いかに1点を奪い、守るか。バントや走塁など小技の重要性がより高まり、一つのミスが勝敗を分けた。3回戦で関東一に2―3で敗れた明徳義塾の馬淵監督は「(好機でのバント失敗や失策が失点に絡み)負けるべくして負けた」と振り返る。決勝進出時点での両校の失策数は関東一が3、京都国際が5。堅守が武器であることを示した。

 本塁打は1974年の金属バット導入以来、最低の7本にとどまった。長打攻勢で圧倒するシーンは少なくなり、大阪桐蔭、報徳学園、健大高崎といった私学強豪が、ロースコアの戦いのなかで早々に姿を消した。甲子園で初の1勝を挙げた石橋・福田監督の「公立でも投手を鍛えれば戦える」という言葉は、全国の指導者を勇気づけるだろう。

 運営面では、暑さ対策として実施された朝夕2部制が課題を残した。開幕日の第3試合は午後6時52分開始、終了は同9時36分となり、智弁学園の選手は「(午前8時半開始の)開会式から時間が空いてつらかった」と疲れた表情を見せた。両チーム計10失策という数字の意味を考える必要がある。

 ただ、2、3日目の夕方に登板した投手は「マウンドがすぐ日陰になって楽だった」と話しており、一定の効果があったことも事実だ。開会式だけを別の日に行えば、引き締まった好試合が期待できるだろう。

 日本高校野球連盟では7イニング(回)制の議論が始まった。7回制なら1時間半前後で試合が終わり、1日4試合の日にも2部制が導入可能になる。ただ、現場の意見は9回制を維持する声が多い。

 9回制で1日最大3試合とするなら、試合日を3日増やす必要がある。現在の休養日を含む17日間の開催期間は20日に延びるが、甲子園練習の3日間を充てれば解決できるのではないか。

 2部制について大会本部は「来年は今年以上の対策を取らないといけない」とし、今後も継続する可能性を示唆した。改革が、球児の健康を守るものにならなければいけない。(豊嶋茉莉)

◆熱中症疑いは56人 大会本部は23日、大会期間中に熱中症の疑いのあった選手は56人いたと発表した。試合中に足がつるなどの症状があった選手が37人、試合後、もしくは試合後のクーリングダウン中に症状があったのは21人だった。34人だった前回大会より増えたが、前回はコロナ禍の影響で球場でのクーリングダウンを実施しておらず、試合後に症状が出たのは1人だった。2部制を実施した第1~3日は計8人で、4人が夕方の部で発生した。

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