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変幻自在の表現者、ダンサーKAi MiWA 内面を「ゼロ」にして曲や演出に入り込むために【インタビュー】

J-CASTニュース / 2024年8月23日 11時0分

変幻自在の表現者、ダンサーKAi MiWA 内面を「ゼロ」にして曲や演出に入り込むために【インタビュー】

(@KaisenDasi)さん提供

ダンサー/振付師のKAi MiWAさん。アニメーションダンス、ヒップホップ、コンテンポラリーダンスをベースにしたジャンルにとらわれないダンスで、常に新しいダンスのスタイルを追求し、変幻自在の表現者として知られている。

ダンスカンパニー「ELEVENPLAY(イレブンプレイ)」にも所属し、Perfumeや羽生結弦のダンサーなども務め、個人では米津玄師、MISIA、SEKAI NO OWARI、ももいろクローバーZなど数々の有名アーティストのライブやMVでダンサーとして参加している。

ロサンゼルスで行われた世界大会「World of Dance」(2016年)では、当時所属していたチームで出場し優勝。ほかにも、世界規模の大会で素晴らしい功績を残している。

この9月には舞踏公演にも初挑戦する。そんな既成の枠にとらわれず前向きにチャレンジを続けるKAi MiWAさんがダンスを始めた理由、「ELEVENPLAY」に加入したきっかけなどについて話を聞いた。

ELEVENPLAYでは「振りや立ち位置など動きの正確さを『究極レベル』で求められます」

――KAi MiWAさんがダンスを始めたきっかけを教えてください。

KAi MiWA:4~5歳頃のことですが、全然喋らずボーっとしてた私をみかねて、母親が地元のダンス教室に連れて行ったのが始まりです。

ダンス教室には、アメリカ合衆国の5人組バンド「バックストリートボーイズ」の曲に合わせて、ピッタピタの半ズボンに、ピッタピタのTシャツを着てジャズファンクを踊るお姉様方がいました。それを見て電撃が走り、「これを私はやりたい!」と自分の中から声が聞こえてきて。ジャズファンクは動きにキレのあるかっこいいダンスなのですが、気が付いたら真似をして開脚していたのが始まりです。

――KAi MiWAさんのダンスの特徴を教えてください。

KAi MiWA:子どものころからずっとダンスを続けて、だいたいのジャンルを経験しました。とくに、アニメーションダンス、ヒップホップ、コンテンポラリーダンスが今の基盤になっています。そんな私を、まわりはよく深海とか人形とかと言うのですが(笑)。

私は自分の体を使って漂ったり「静の表現」が得意です。どういうことかというと少し難しいのですが、「感覚の拡張」を目で分かるように、ジャンルやダンス中のシルエット、質感と重さが音や場所、演出によって変化しています。
私の場合は「そのままの自分」として舞台に立つことが難しいので、いったん思考を「0(ゼロ)」にして曲や演出に入り込む。すると結果的に、ジャンルや形にとらわれなくなっています。もともと凝り性で、変化が苦手な性格で、以前は、正解を常に求め一つのやり方に固執していました。

しかし、恩師の一人、辻本知彦さんに数年前、「その踊りと考え方でいいのか? ほかのことも動きにいれたらあなたはもっといろんなところに呼ばれるよ」とアドバイスをいただきました。だから今は常に変化し続けることと、「思考は0(ゼロ)」でありつつ、「自分が本能的に今何を思ったり感じているのか」を常に問いかけ、それに従っています。

今は、演出家の笠井叡さんの舞踏公演「畑の中の野うさぎの滑走、1匹のトカゲが焼けた石の上を過った」(24年9月6日~8日)に挑戦し、新しい世界に飛び込んでいます。

――KAi MiWAさんは「ELEVENPLAY」でも活躍されています。「ELEVENPLAY」に入ったきっかけを教えてください。

KAi MiWA:もともと姉の影響で、中学の頃からPerfumeを聴いていていました。高校生の時はYouTubeやDVDをあさってはまわりを巻き込み、Perfumeのダンスを中庭で毎日踊るぐらいとりこでした。

人の心にたくさんの感動を届ける「ELEVENPLAY」を率いる演出振付家のMIKIKOさんに心から惹かれ、それが、自分の基盤であるアニメーションダンスを始めるきっかけにもなりました。当時、Perfumeのダンスコンテストがあって、その時のダンス仲間と応募し、実際に本選に行くことができ、MIKIKOさんに生でダンスを見ていただくところまで行きました。

ELEVENPLAYの募集を初めて見たのは、2014年MIKIKOさんのFacebookでした。ただ、投稿を見た時はアニメーションを始めてまだ2年目だったため、中途半端はイヤで、泣く泣く諦めたんです。しかし3年後、再度募集がかかっているのを偶然見つけて応募し、いままでの思いを踊りでぶつけに行きました。

――ロサンゼルスでの世界大会「World of Dance」で優勝したのは2016年のことでしたから、自信もあったのではないでしょうか。ELEVENPLAYでのKAi MiWAさんのダンスの特長は?

KAi MiWA:World of Danceの時も少し自信はつきましたが、その後、2019年にグループで世界3位を獲ったロサンゼルスでのダンスの世界大会「VIBE DANCE COMPETITION」では確かなチーム力を感じました。

ELEVENPLAYにおける私のダンスの特長は、マネキンやアンドロイド、アニメーションダンス、時空間の使い方だと思います。

ELEVENPLAYでは、それぞれ持つ個性の光を放ちながら、全体では一糸乱れぬダイナミックかつ繊細な動きに加え、よく世界初の技術やテクノロジーとコラボして踊るので、振りや立ち位置など動きの正確さを「究極レベル」で求められます。

そのため、MIKIKOさんを筆頭に、メンバー全員で話し合いながら常にトライ&エラーを繰り返し、舞台を作り上げております。

――トライ&エラーとは、どういうことでしょうか。

KAi MiWA:基本的に、MIKIKOさんのモットーである「五感に響く作品作り」は軸にありつつ、ダンサーのみで踊る舞台の場合と、テクノロジーの技術と共に踊る場合は少し視点が違うなと個人的には感じています。

ダンサーのみの場合は、個人の魅力が引き出されるようにフォーカスを当て、作品が構成されています。技術力のほかにも、身体から放たれる声や音、息遣い、心の変化など、どのようなアプローチをするとそれぞれの「生身」を感じる瞬間があるのかという感じです。

一方で、テクノロジーと踊る場合は、ダンサーのフィジカルやジャンル、個性に加え、さまざまな条件下で、どのような表現を選択していくと共存が生まれたり境目がなくなっていったりするのかという感じです。

たとえば、躍動感をもって角度、形、すべてそろえて踊ったらいいのか、「逆再生」として自由に動くならここはどんなテイストがしっくりくるのか...。ほかにもポイントはありますが、そんな「実験」をひたすら繰り返して創り上げていくイメージかなと思います。

――KAi MiWAさんはELEVENPLAYでの活動以外にも、常に新しいダンスのスタイルを追求され、さまざまな活動をされています。そこで、これまで作られてきた作品の中で、思い入れのあるエピソードはありますか。

KAi MiWA:「生き様が面白すぎる」仲のいいダンサーが居て、そのダンサーたちと、自分の身に起きたことを、踊りや音で体現する公演を行いました。「覗き見」をコンセプトにしているので、観客は透明人間として、部屋の中に立ったまま鑑賞する形にしました。

その際に、ハンディカメラによるライブビューイングも行ったのですが、カメラマンの鼻が詰まっていたことから、本番中、意図せずカメラマンの鼻息を拾ってしまった様で、リアルな覗き見公演になってしまいました。反省点としては、鼻が詰まっている方にはハンディカメラをお願いしないことですね(笑)。

――最後に、KAi MiWAさんが目指していることはなんですか。

KAi MiWA:新しい立ち位置を模索していますが、まずは世界でも通用する唯一無二のプレイヤーであり、振付や演出両方できる人間でいたいです。その中でも特に、没入や空間演出が大好きなので、たとえば洋服のブランドのコレクションやライブの振付、演出などをしてみたいです。あとは、80歳以上になっても世界を渡って、機敏に踊れるような人間でいたいです!(笑)

――ありがとうございました。

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